荒れた生活からハーバード大を卒業するまでになった女性(画像は『Back on My Feet Boston 2017年5月19日付Facebook「Meet Norma from Team Rosie's Place. Norma is graduating from Harvard University this month!!」』のスクリーンショット)

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夢を実現させることに年齢も過去も関係ない。そう実感させられるニュースがアメリカから飛び込んで来た。ホームレスだった女性が、このほどハーバード大学のエクステンションコース(夜間・通信教育講座などの特別コース)を卒業した。『ABC7』や『Fox 5 NY』が伝えている。

ノーマ・ヒースさん(51歳)は、12歳の時に生まれ故郷のホンジュラスから米ボストンに家族と移り住んだ。しかしノーマさんは英語が話せなかったことで、周囲からいじめやからかいを受けて次第に自信を失っていった。一家は後にボストンの別の地域に引っ越したがそこでも冷たい対応を受け、ノーマさんの生活はますます荒れるようになった。

12歳を境にアルコールやマリファナ、コカインなどを常用するようになり、うつを患い、売春もしたという。学校も満足に行かずに読み書きができなかったノーマさんは、落ちるところまで落ちホームレスとなってしまったのだ。

長い間、希望を見出すことができなかったノーマさんだったが、2年前にホームレス支援施設「Rosie's Place」を訪れたことがきっかけで少しずつ将来の目標を持つことができるようになった。

ノーマさんは「今日は薬には手を出さない」「今日はアポイントを取りに行く」など、自分で一日のゴールを決めることにした。そして人生への希望が大きくなってきたことで、次第に目指すゴールも高くなった。

教育を受けたいと長い間願っていたノーマさんは、ハーバード大学のエクステンションコースに出席し心理学の学士号を習得、5月25日に無事卒業した。

「Rosie’s Place」がサポートし続けてくれたからこそ今があるのだと、ノーマさんは『ABC7』のインタビューでも語っている。

「施設のスタッフたちは、自分を愛するようになるまでずっとサポートし続けてくれます。それは私にとってとても大切なことでした。長い間自分のことが大嫌いだった私が、今はちょっと自分が好きになっているのです。いつか、自分のことをもっと愛せるようになる日が来ると思います。」

そんなノーマさんは「夢を持つのはいいことですが、ゴールを決めてそれを一つずつ達成することこそ大切だと実感しました」と話している。次のゴールは「自分が助けてもらったように、自分も誰かの助けになること。そしてマスター(修士)の学位を取ること」だそうだ。ゴール達成に向けての努力は何歳になっても決して遅くはなく、人間やればできるのだということを、ノーマさんから知ることができると言えよう。

画像は『Back on My Feet Boston 2017年5月19日付Facebook「Meet Norma from Team Rosie's Place. Norma is graduating from Harvard University this month!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)