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text:Kenichiro Uda(宇田健一郎) photo:Hidenori Hanamura(花村英典)

 

Chapter1:「明日にでも買いたいクルマ選び」
Chapter2:筆頭候補はメルセデスC220dか A4は?
Chapter3:ひときわ輝くBMW 320d そこでXEが気になりだす
Chapter4:Cクラスにははっきり不満がある
Chapter5:決めた! このクルマを買う!

「明日にでも買いたいクルマ選び」

笹本
本サイトの「長期使用報告」にも登場していた、わたしのメルセデス・ベンツC250が、不幸にも事故に遭ってしまったんだ。中央自動車道の笹子トンネル内で、隣車線のトラックがウインカーも出さずに突然車線変更してきて、避けきれなかった。

まあ、さすがはメルセデスというか、Aピラー以降は無傷で、幸運にも人間もまったく無事だったけれど、フロントまわりが大破。9年落ちのC250は、残価がほとんどないので、あえなく全損あつかいになってしまった。

佐野
……で、今回は「次期編集長号」の最終候補4台を集めて、気に入ったヤツをズバリ買っちゃうわけですね。ところで、次期編集長号候補も、やっぱりDセグメント?

笹本
そうなんだ。AUTOCAR JAPAN編集部は世田谷区の三軒茶屋駅近くにあって、駐車場は込み入った住宅街のど真ん中。今まで乗っていたCクラスのサイズが、日常的にストレスなく使うには限界なんだ。

加えて、わたしの場合、実家のある山梨の甲府と東京を1週間に2回往復する生活をしている。走行距離は最低でも年間2.5万km。高速性能と経済性を考えれば、最新のディーゼルが第一候補になる。

佐野
そうはいっても、日本にはガソリンしかないアウディA4も気になると……。

笹本
冬の中央道は雪が降ることもあるし、高速移動がメインだから、やっぱりクワトロ(4WD)も捨てがたいんだよなあ。

佐野
今回は本当に「明日にでも買いたいクルマ選び」というわけですね(笑)

ということもあって、取材車の関係で一部はステーションワゴンになりましたが、ねらいはあくまでセダンだそうです。

text:Kenichiro Uda(宇田健一郎) photo:Hidenori Hanamura(花村英典)

 

Chapter1:「明日にでも買いたいクルマ選び」
Chapter2:筆頭候補はメルセデスC220dか A4は?
Chapter3:ひときわ輝くBMW 320d そこでXEが気になりだす
Chapter4:Cクラスにははっきり不満がある
Chapter5:決めた! このクルマを買う!

筆頭候補はメルセデスC220dか A4は?

佐野
編集長はこれまでのC250も気に入っていたわけですし、普通に考えれば筆頭候補はC220dでしょう?

笹本
今回のC220dは低速で快適な「コンフォートモード」では、操縦性は正直いってダルすぎるきらいがある。ひとつ上の「スポーツモード」にすれば改善されるが、それでもリニアリティに少しばかり難ありだ。最近のメルセデスは乗り味も操作系も変えようととしているが、今はまだ過渡期の感じがする。

佐野
取材車は一応スポーツ系グレードでしたが、今回装着されていた可変ダンパーは中間の「スポーツ」が基準となっているっぽい。いっぽうで、パワートレインは「スポーツ」だとありあまるトルクには過敏で、「コンフォート」のほうがリニア。

カスタマイズ機能で「シャシーがスポーツ、パワートレインがコンフォート」にすると、いい感じになります。

笹本
たしかに、「コンフォート」にしたときのC220dのパワートレインは好印象。パワフルでATの制御も悪くない。

佐野
ガソリン代表のA4は?

笹本
エンジンの瞬発力や反応の良さは、さすがにディーゼルより1枚も2枚も上手。個人的にも純粋なエンジンはガソリンのほうが好きだ。

ただ、今回のA4でいうと、そのエンジンに対してアシがちょっと物足りないところがなくはない。欲をいえば、揺り戻しをもう少し抑えて、挙動も一発でおさめてほしいところだ。

佐野
オプションの可変ダンパーを選ぶと、またグンと変わりますけどね。それに、そのゆったり感が、4WDともあいまって高速で無類の安心感を醸し出しています。あと、今回では最大のボディサイズとFFベースということで、室内は明らかにA4が最も広い。

笹本
わたしの場合は、ひとりで長距離移動するケースが大半だからなあ。この高速安定性は捨てがたいけど、経済性を考えると、わたしにとっては、やはりディーゼルの魅力は大きい。

text:Kenichiro Uda(宇田健一郎) photo:Hidenori Hanamura(花村英典)

 

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Chapter4:Cクラスにははっきり不満がある
Chapter5:決めた! このクルマを買う!

ひときわ輝くBMW 320d そこでXEが気になりだす

笹本
ズバリいうと、乗った印象だけでいえば、今回はBMWの320dが一番だった。

乗りはじめて、いきなり最初のコーナーに入るときから、なんの違和感もなく、自分のペースでツッコめるんだ。

すべてがきちんとセッティングされていて、なにをどうしたら、どう反応するかが一瞬で把握できる。

佐野
デビュー年次は今回の4台では一番古いですが、そのぶん一番熟成されているのはハッキリと分かりますね。

笹本
ステアリングにしてもサスペンションにしてもものすごく精度が高いから、あらゆる操作が最初から一発できまる。

今回はワインディングだけでの試乗になってしまったので、街中でどれくらいかはきちんと試したかったところではあるけど……。

佐野
発売初期は意図的にスポーツ指向だった3シリーズも最新型は低速でもしなやかですよ。

笹本
走りだけでいえば、3シリーズに次いで魅力的だったのがジャガーXE。BMWと比較すると、操作系に薄皮が一枚はさまっている感じは否定できない。

でも、十二分にセンシティブだし、総合的には普段乗りからワインディングまでバランスよくまとまっている。XEはワインディングでもノーズがきちんと入っていく。

まあ、この点は3シリーズの「スッと切ったらピッと入る」感覚には一歩ゆずるものの、XEも大きく負けていない。

text:Kenichiro Uda(宇田健一郎) photo:Hidenori Hanamura(花村英典)

 

Chapter1:「明日にでも買いたいクルマ選び」
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Chapter4:Cクラスにははっきり不満がある
Chapter5:決めた! このクルマを買う!

Cクラスにははっきり不満がある

笹本
個人的な走りの好みでいえば、3シリーズ、XE、A4、Cクラス……の順かな。

佐野
わたしはCクラスやA4の絶妙な柔らかさとゆったり上下動が心地よかったですけどね。アラフィフとなった最近はとくにそう思います。

編集長はやっぱりスポーツカー的な味が好きですね、わたしより20年近く先輩なのに(笑)

笹本
ただ、乗り味以前に、Cクラスにはひとつ注文がある。それはコラム式のシフトレバーが右側にあって、しかも大きさや位置がウインカーレバーとほぼ同じことだ。

佐野
個人的には気になりませんが……。

笹本
普段からいろんなクルマに乗り慣れている人や、これ1台ですべて済まられる人はいいんだ。

でも、わたしのように国産車と共用する場合、Cクラスのシフトレバーは国産車のウインカーレバーとちょうど同じ位置にあるものだから、とっさのときにウインカーとシフトを誤操作してしまう危険がある。

右折時はまだいい。Dレンジから押し下げても、いきなりリバースには入るわけではないから。ただ、Dレンジから持ち上げると、そのままNレンジに入ってしまうから、左折時はちょっと怖い。

実際、今回もウインカーとシフトレバーを間違えて、いきなりトラクションが抜けて驚いたことがあった。

ウチも家内が普段は国産車に乗っていて、自分も借りることもあるし、その逆もある。自分は何とか対応できても、これを家内に乗せるのにはちょっと不安なんだな。

佐野
なるほど。これは日本を含めたごく一部の市場だけの問題ですね。同じ右ハンドル国でも英国やオーストラリアは左ウインカーですから。

Cクラスの場合はコラムシフトのおかげでセンターコンソール周辺の収納が豊富で便利ですし……。

笹本
コラムシフト自体は悪くないアイデアだが、日本で売るならレバーの大きさや位置、操作ロジックにはもっと工夫が必要だろう。

text:Kenichiro Uda(宇田健一郎) photo:Hidenori Hanamura(花村英典)

 

Chapter1:「明日にでも買いたいクルマ選び」
Chapter2:筆頭候補はメルセデスC220dか A4は?
Chapter3:ひときわ輝くBMW 320d そこでXEが気になりだす
Chapter4:Cクラスにははっきり不満がある
Chapter5:決めた! このクルマを買う!

決めた! このクルマを買う!

佐野
で、編集長の心は決まりました?

笹本
ジャガーXEに決めた! じつは試乗前から、心の中ではジャガーが筆頭候補だった。今回も3シリーズの走りの良さにちょっと心が動きかけたけど、デザインの良さも含めると、やっぱりXEの優位は動かなかった。

佐野
普段は乗り味について好き勝手いっているわれわれですが、自分で買うとなると、デザインの好き嫌いはすごく重要(笑)

笹本
もちろんだ。個人的にいうと、XEのデザインが素直にスポーティで、やはり一番好みだ。なんだかんだいって、わたしたちの世代のクルマ好きはスポーツカーが好きなんだな。

それに、これだけスポーツカー的に引き締まったプロポーションなのに、トランクにゴルフバッグが横向きに入る。今回の取材ではそれがいちばん気になるところだったが、今回なんのコツや工夫もなくゴルフバッグが積むことができて、内心安心したんだ(笑)

メルセデスやBMWは良くも悪くもきわめてキープコンセプトで、だれにでもわかるデザインだが、ジャガーはあえて新世代のデザインに挑戦したことは評価したい。

でも、このグリルの造形は、デザイナーの意識としては1968年の初代XJ6から伝統を受け継いでいるんだよ。日本ではまだ旧XJ時代のイメージが強すぎてこのデザインに賛否両論あるけれど、このデザインが世界的に受け入れられているのは、最近のジャガーの好調ぶりを見れば歴然としている。

佐野
そういえば、編集長はジャガーXJばかり乗り継いでいた時期がありましたよね。90年代から00年代にかけてのX300やX350系。

笹本
そのとおり。XEでもうひとつ感心するのは、基本的な操作系のフィーリングが当時と変わっていないこと。純粋な走りでは今回は3シリーズに僅差でゆずったXEだけど、個人的には本当に肌があうクルマなんだ。

next:次回以降、ディーラーにて購入するクルマを探します!