フランス・ブルゴーニュ地方ディジョンにあるワイン専門ビジネススクールSWSBで、ワインに関する講義を受ける中国人学生ら(2017年3月16日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】フランス中部、ワインの名産地として知られるブルゴーニュ(Burgundy)地方ディジョン(Dijon)で、中国人のチェン・ヤンフェン(Chen Yanfen)さん(30)は地元産の赤ワインの入ったグラスを回し、そのルビー色とフルーティーな香りを確認してから口に含ませた。

 チェンさんは、緩やかな丘陵地帯にある同市のワイン専門ビジネススクールSWSBで、ワイン造りの極意を熱心に学んでいる中国人学生のうちの一人だ。

 同校で学ぶ135人のうち、3分の1近くが中国出身。通にとって垂涎(すいぜん)の専門知識を得るため、最高1万3000ユーロ(約160万円)の学費を払うこともいとわない。

 チェンさんは「大半の中国人消費者にとって、最高のワインといえばフランス産。長い歴史を誇り、世界中で非常に有名だから」と話す。

 チェンさんも他の学生ら同様、この1年課程を修了後は、フランスをはじめとする外国産ワインを母国で販売したいと考えている。

 ワイングラスとペン、メモを手に、学生らはブドウ栽培に関する知識を増やし、英語のテイスティング用語を習得していく。フランスでワインの学位を取得しておけば箔(はく)が付き、中国国内では新興のワイン業界で就職活動をする際にも有利になるという。

■ワインもシャトーも「爆買い」?

 ワイン消費大国となった中国は、今度は独自のワインの生産にも注力し始めている。国際ブドウ・ワイン機構(OIV)の推計によると、同国の昨年のワイン生産量は11億5000万リットルで、世界6位となった。

 中国で拡大する中流層が高級ワインを好むようになるにつれて、フランスから中国へのワイン輸出量も急増。昨年は前年比で12.7%増となった。

 同時に投資家らはフランスのワイン畑を買いあさり、今では中国人富豪がワイン生産地として名高い南西部ボルドー(Bordeaux)に100か所以上のワイン畑を所有するまでになった。

 中国のインターネット通販大手アリババ(阿里巴巴、Alibaba)創業者のジャック・マー(Jack Ma)氏は昨年だけでも、ボルドーで18世紀からの歴史を持つシャトー(ワイン醸造所)3か所を買収している。

 英国に本部を置くワインやスピリッツの国際教育機関「ワイン&スピリッツ・エデュケーション・トラスト (WSET)」が、中国の首都北京(Beijing)で展開している資格取得コースで講師を務めるヤン・ティンティン(Yang Tingting)氏の話では、「中国ではボルドー産ワインが最も良く売れる。特に手頃な価格帯の良質な赤ワインが人気だ」という。

■体得してもらいたいのは「フランスのエスプリ」

 ブルゴーニュ産も人気の面では引けを取らず、中国市場でボルドー産の強力なライバルになってきている。SWSBのジェローム・ガロ(Jerome Gallo)校長も、ブルゴーニュは質の高いフランスワインの代表格だと胸を張る。

 SWSBでは、中国からの入学志願者の一部を断らざるを得なかったという。アジアと欧州の学生らの人脈づくりの場を提供したいという狙いから、学生らの出身国が偏らないようにするためだという。

 その一方で中国人学生は、フランスワインを母国に広めてくれる未来の顧客、またPR役としても歓迎されている。

 ガロ校長は「私たちが彼ら(中国人学生ら)に望むことは、ただフランスワインを売ってほしいというだけでなく、本校やブルゴーニュ、ひいてはフランスのエスプリを持ち帰ってもらうことだ」と話している。
【翻訳編集】AFPBB News