問題解決の極意その5 〜問題解決の勝負の分かれ目は?〜

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 問題解決に慣れていない人は問題を一回明確に出来ると安心してしまい、『何故?』と問うことを止めてしまいます。しかし、問題解決はここから勝負です。もう一回『何故だろう?』と現場観察に向かうと良い対策がそこに待っていてくれます。

【前回は】問題解決の極意その4 〜目標を『額』で言う現場管理者は目標達成確率が高い〜

●問題を一回明確に出来ると安心してしまう営業マン

 飲料メーカーの営業マンが今月の売上予算が未達で、その原因を分析した結果、あるチェーン企業の特定の1店舗で前年売上を大きく下回っていることが分かりました。すると、問題を一回明確に出来たことで安心してしまい、「この店舗へ売り込んできます」と言い、すぐに提案しました。

 その結果は、この店舗からの反発が大きく、門前払いをくらってしまいました。飲料メーカーからの押し込みと捉えられ、店舗での在庫過多になる可能性が高い危険な提案と見なされてしまったのです。

 原因追求のプロセスを踏まず、対策発想になって「エンドで売り込む」、「平台で売り込む」等を言う営業マンは、『売場に商品が存在すれば売れる』という化石のような体験を無意識のうちに引きずっているのです。

●問題を一回明確に出来た後、もう一回『どうして?』と問うことが大事

 そこでこの営業マンの上司は『チェーン店の特定の店舗だけ、売上前年割れを起こしているのはおかしい』と考え、同一チェーン内での他の店舗の売場と問題店舗の売場で何が違うのかを調査するように指示しました。

 価格、陳列位置、フェイス数、欠品の有無等を調査し、実態を写真に残し、比較しました。すると主力アイテムの陳列棚に添付されているプライスカードの価格表示がおかしいことに気が付きました。問題店舗のレジ担当に頼んで価格のスキャンチェックをお願いしたところ、プライスカードの表示価格と実際の価格が違い、高く表示されていることが分かりました。これでは、お客さまにこの商品は価格が高いと思われ、買って頂けなくなるのは当然です。

 この営業マンは実態の比較写真と共に売上が前年割れした理由【価格表示違い】を提示し、挽回の施策を再提案しました。今度は担当バイヤー、売場責任者は納得し、提案に賛同してくれました。

●終わりに

 この時代、「売り込みます」、「頑張ります」で成果に繋がることはありません。売上不振が起きたら、その現場に行って、視点を持って観察し、問題の原因を特定、記録を残し、もう一回『何故?』と問います。このプロセスの中で対策が生まれます。「売り込みます」、「頑張ります」は対策ではないのです。