天海祐希『緊急取調室』女の戦い名勝負3選!クセモノ女優ばかり

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 天海祐希主演の『緊急取調室』がシーズン2で戻ってきました。シーズン1は、叩き上げの取調官である主人公・真壁有希子(天海)の家族のストーリーも同時進行で進んでいましたが、今シーズンは鉄壁の取り調べ集団「緊急事案対応取調班」=通称キントリの仲間の人物像も少しずつ分かっていき、ファンとしてはこのチームがより一層身近に感じて楽しめます。

 今回のシーズン、女性の加害者の闇が深くて、一筋縄ではいかない感じですよね。女vs女のピリピリした名勝負を勝手ながら挙げてみました。

◆茂手木恭子(鶴田真由)戦

 3人の自殺者が出た事件。何故か、ネイリストの茂手木恭子(鶴田真由)の客ばかりだ。3人の客はいずれも茂手木恭子に共同経営者の話を持ちかけ、大金を出資している。もう、この時点で真っ黒です。

 ネイリストって、手を触りながら、色々世間話もしますし、友人のいない女性からすると身近に感じることもあるでしょう。

 特に、茂手木恭子は専業主婦でしたが離婚してネイリストを目指したというなかなか苦労した女性ですので、親身になって話を聞くことなんてお手の物かもしれません。貢がせるターゲットとなる女性を見分けるのも経験値からなるものかもですよね。
 そこで、悩みを相談しつつ仲間をあざむいてまで“お友達”になったふりをする真壁に、見事、茂手木恭子も騙されました。

 結局、ネイルサロンを開業する時に、一緒に共同経営する男に裏切られて殺害してしまった過去の殺人も出てきました。サロンを続けるため、加えて死体を隠すためにずっと同じ場所で営業していたようです。

 その更新時期に必要となるお金を、このダマした女の人たちから奪っていたようですが…。自殺にまで追い込む話術、そして、罪の意識はなく「孤独で悩んでいる女性を助けた」と本気で思っていることが怖かったです。

◆沢本愛(矢田亜希子)戦

 授業中に倒れた生徒・春日(平岡拓真)は意識不明で運ばれるが、体内からは毒を服用したことが判明。目撃者は生徒全員。自殺だったのか毒を飲まされたのか…。犯人は担任の沢本愛(矢田亜希子)ですが、何故、彼に毒を飲ませたのでしょう。
 沢本愛は殺人犯の娘でした。大変な思いで1人で生きてきて、ようやく教師になった苦労人。ですが、この春日の親たちは、彼女の過去を知ってしまいます。そんな殺人犯の娘には教師を任せられないと担任を外れるように脅します。

 せっかくつかんだ穏やかな生活を脅かされた沢本は、彼らの息子をターゲットにしました。勉強ばかりで多感な時期の男子高校生を色恋で騙すのは容易でした。春日は本気になってしまいますが…沢本愛は、彼に安定する薬だと言って毒を飲ませます。

 苦労したからこそ、教師という職業には執着があるのでしょう。しかし、彼女の名前である“愛”に反して愛情がありませんでした。自分の生徒の恋心を利用し、平然と殺せる感覚が(未遂に終わりましたが)なかなかの冷徹な女でした。

◆白河民子(三田佳子)戦

 宅配便業者の男(石田卓也)を殺したと自首してきた白河民子(三田佳子)を取調べるが、1時間後にはその自供が覆(くつが)える。記憶が曖昧だったと、自分の言ったことすら忘れたようなそぶりを見せる老人の白河民子でしたが……。

 若くして夫を亡くした白河民子は孤独に暮らしていました。配達員の小牧(石田)と会話をし優しくされ、息子のように思っていたのかもしれませんという見解でした。

 その小牧が同じマンションの主婦と不倫している現場を目撃してしまったことで、白河民子の感情は殺意に変わってしまいます。「息子だと思っていたのに裏切られたからよ」と犯行動機を語る彼女でしたが、恐らく女性として彼に恋していたんでしょう。自分で自分宛に宅急便を毎日送っていたのは彼に会うためでした。

 白河民子は、犯行は認めますが、どこかでその「女」としてのプライドや見栄があり、供述の中では恋心は認めていませんでした。が、真壁が取調中も「お婆ちゃん…」と優しく呼びかけたことを心底不愉快に感じて怒りを露わにします。

 最後に出頭してきた際、白河民子は綺麗な身なりで化粧もして現れます。やはり、女としての犯行だったかと私は解釈してしまいました。

 ここは意見が分かれるところかもしれませんが、歳を重ねていつまでたっても「女」として生きていくのを捨てられないのってしんどいですね。自分が、いかに女として気を遣い振る舞っていても、世間とのギャップが必ずしも折り合いがつきません。

 この回は、そういった、歳を取ることを受け入れているのに、一方で女の業も捨てられない孤独な老人の苦しさが見ていて怖くなりました。

 さて、今週はまた女性の容疑者が3人も現れて、女の闘いが見られるようです。内に秘めた女性の業の深さを真壁がどうやって暴いていくのかこれまた見どころです。

<TEXT/タケダマコ>