5月の外国為替市況は、フランス大統領選の投票結果を受けた欧州情勢の先行き懸念の後退や、リスクオン投資意欲の回復を背景に円売り・ドル買いが加速し、9日のニューヨーク外国為替市場では、約2カ月ぶりに1ドル=114円台の円安水準に振れた。
 しかし、5月後半は円安、円高のどちらにも材料がない中で、じりじりと円高傾向が進み、1ドル=111円台付近の動きになった。5月末には、米国の景気減速懸念による株価下落や長期金利低下を背景に、ドルを売って円を買う動きが優勢で、円相場は1ドル=110円台で取引された。

 こうしたなか企業倒産全体の沈静化が続き、5月の「円安」関連倒産は3件(速報値5月31日現在、前年同月11件)だった。また、過去の円高時のデリバティブ取引の損失などを原因とする「円高」関連倒産が2カ月ぶりに1件(前年同月3件)発生した。
 依然として地政学リスクが払拭されず、先行きにも不透明要因があることから、今後も為替相場の動きには注意が必要である。

円安関連倒産月次推移

円高関連倒産月次推移

5月の倒産事例 円安関連

 (1)婦人水着など企画販売[東京]
 丸藤(株)(TSR企業コード:291029833、法人番号:5010001029454、中央区日本橋茅場町2−4−5、設立昭和22年5月、資本金2143万円、大西省吾社長)は5月17日、東京地裁から破産開始決定を受けた。
 破産管財人には北西裕司弁護士(北西法律事務所、練馬区練馬1−2−8、電話03−5946−9271)が選任された。負債総額は債権者18名に対して約1億6000万円。
 婦人水着、リゾートウェア、スポーツウェアなどの企画販売を手掛けていた。量販店や問屋への販売を中心とした事業展開となっていて、ピークとなる平成9年1月期には16億9971万円の売上高をあげていた。
 しかし、以降は売上が伸び悩み、また円安による仕入コストの上昇や商品在庫の評価損などから、26年1月期の売上高は3億2493万円に対して1億7721万円の赤字となった。先行きの見通しも立たず、借入金の返済も困難となり、弁護士に事後を一任していた。

 (2)販促品企画ほか[東京]
 (株)スペック(TSR企業コード:293113718、法人番号:2010001121412、中央区湊3−4−12、設立平成6年9月、資本金1000万円、石栗伸一社長)は4月26日、東京地裁から破産開始決定を受けた。
 破産管財人には大橋君平弁護士(渥美坂井法律事務所・外国法共同事業、千代田区内幸町2−2−2、電話03ー5501−2111)が選任された。負債総額は債権者23名に対して約4600万円。
 販促品の企画の他に、データ出入力業務などを手掛けていた。大手広告代理店などに販路を形成し、ピーク時の売上高は約1億5100万円をあげていた。しかし、競争激化や円安による仕入コストの上昇などから業績が落ち込み、資金繰りも悪化。主力取引先からの受注減少もあり、先行きの見通しも立たず、今回の措置となった。