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●コンタクトが原因で失明する可能性

私たちの多くは、コンタクトレンズを使用している。日本眼科学会によると、国内のコンタクトレンズユーザーは2008年時点で1,500万〜1,800万人と見積もられていたそうで、そこから約10年が経過した現在は、2,000万人を超えていてもおかしくない。

コンタクトの登場によって、私たちはめがねを着けることなく、今まで見えにくかったものがはっきりと見えるようになった。その点において、コンタクトは私たちのQOLを大きく改善してくれた。一方で、誤った使用による目のトラブルも頻発しており、時には目の病気につながる場合もある。

そこで今回は、あまきクリニック院長の味木幸医師に「コンタクトが原因で起きる危険な目の病気」についてうかがった。

○危険な角膜潰瘍と巨大乳頭結膜炎

コンタクトが原因で起きる病気の種類は多い。日常生活においてなじみが深いもので言えば、ドライアイもその一つにあげられる。

数ある疾患の中でも、特に危険なものとして「角膜潰瘍(かくまくかいよう)」と「巨大乳頭結膜炎(きょだいにゅうとうけつまくえん)」があると味木医師は話す。この2つの病気の特徴を下記にまとめた。

角膜潰瘍

傷や細菌、ウイルスなどが原因で角膜の組織が目の表面から欠けていく病気で、ソフトコンタクトユーザーによくみられる。本来は透明である角膜の表面やその奥がにごるといった症状が出現する。症状が消えても視力が低下したまま戻らないケースや、重症化して角膜に孔が開き(角膜穿孔: かくまくせんこう)、失明に至るケースもある。

「コンタクトが原因の病気で最もなってほしくないのが角膜潰瘍です。角膜に瘢痕(にごった白い点)が残るし、へたをすると失明します。罹患する原因として『装用している時間が長い』『睡眠が不足して疲れている』などがありますね。コンタクトは時間を短くして使ってほしいのに、『まだ大丈夫だろう』と使い続けて装用時間が増えていくと、角膜内の細菌も増えていきます」

特に、アカントアメーバと呼ばれる微生物が増殖すると、3日ほどで失明に至ることもあるという。

巨大乳頭結膜炎

コンタクトレンズの汚れや花粉症が原因で、上まぶたの裏側(結膜)にブツブツができるアレルギー性の眼障害。アレルギー性結膜炎のひどいタイプで、目やにが増えてかゆみが悪化し、レンズが上の方にずれやすくなる。

治療せずに放置すると、瞬きの度にコンタクトレンズが上下にまくれ上がるため、角膜炎を併発する。粘性の高い白っぽい目やにが多量に出てくるのも症状の一つ。放置し続けると角膜炎が悪化し、まるで角膜がやすりでこすられたように白くなり、視力が低下。充血して痛みを伴う。

「巨大乳頭結膜炎は石垣状のブツブツをまぶたの裏に作るため、きちんと治療しないと、そのブツブツを切除しなければならなくなったり、少なくとも1カ月はコンタクト使用を中止したうえで点眼などでの治療が必要になったりします。角膜潰瘍を併発する場合もあり、早期の発見・治療が必要です。巨大乳頭結膜炎になる前の段階、アレルギー性結膜炎の軽いうちから治療をすると、大事には至らないでしょう」

●視力障害の恐れもある角膜血管新生とは

角膜潰瘍と巨大乳頭結膜炎以外にも注意が必要な疾患として、「角膜血管新生」がある。

「角膜(黒目)は血管がないから透明に見えますが、そこに病変ができたり、酸欠状態になったりすると角膜と白目の境目から角膜中心に向かい、血管が伸びて(新生して)きます。血管が角膜の中まで侵入してくると、角膜の透明部分ににごりが入ってきて、角膜の中心まで来ると視力障害が起きることもあります」

特にカラーコンタクトのような、酸素透過量の少ないレンズを長時間装用していると、目が慢性的な酸素不足に陥りやすい。おしゃれの一環として休日だけカラーコンタクトを楽しむ分には問題ないが、日常的に使用するのは避けた方がよい。

○コンタクトとめがねはセットが基本

コンタクトレンズが本稿で紹介した疾患の原因の一端を担っているのは確かだ。ただし、適切な使い方さえしていれば問題なく防げるのも事実である。

このような疾患の簡単な予防として、コンタクトの装用時間を短縮すべきだと味木医師は解説する。

「例えば、飲み会が続いて体調が悪いときなどは、装用時間を短縮するとかめがねに切り替えるとかするだけでも全然違います。コンタクトは不必要に使うものではないのですが、その割にはめがねを持っていないユーザーが多いです。そのような人は、コンタクトを装用してはいけないほどの深刻な症状を呈した際に困りますよね。コンタクト使う人は、必ずコンタクトがないときに着けられるめがねを購入するようにしましょう」

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。