竜星涼「熱い部分を見て」伊藤英明の後輩刑事を熱演

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入江悠監督が手がける『22年目の告白−私が殺人犯です−』は、1995 年、残忍な手口で5人の命を奪い世の中を震撼させた連続殺人事件の犯人が、事件から22 年後、自身の殺人を告白した本の出版記念会見を行うという前代未聞の衝撃的な展開から始まる。「被害者に近しい者に殺人の瞬間を見せつける」残忍な犯行を繰り返した殺人犯・曾根崎雅人(藤原竜也)は、出版した殺人の告白本「私が殺人犯です」を手に会見や握手会、TV 出演とキャンペーンを展開する。そんな犯人を22 年間追い続けてきた刑事・牧村航(伊藤英明)の気持ちとは裏腹に、加熱するマスコミ報道、SNS により美しい容姿とともに拡散された曾根崎は日本中から罵声と歓声を浴びながら、一躍時の人になっていく……。

本作で、牧村の後輩刑事・春日部信司を演じているのは、映画『ライアーゲーム―再生―』で映画デビュー、『orange-オレンジ-』『君と100回目の恋』といった話題作、4月から始まった連続テレビ小説『ひよっこ』などに出演している、竜星涼さん。このインタビューでは、役作りのポイントや印象に残ったシーンなどについて語っていただいた。

――春日部役に決まった経緯を教えてください

オーディションを受けて決まったのですが、その時はまだ仮台本の状態の脚本を読ませていただきました。そこで「面白い!」と感じて、「この春日部という役をどうしてもやりたいな」と思ってオーディションに臨みました。なぜかと言うと、一番、視聴者の視点に近い位置にいたのが春日部だったからですね。場の空気を気にせずに感じたことを言えてしまう、若さというか、青さというか、そういった部分が自分の持っているマインドに近いなと感じました。

――竜星さんの持つ“熱い部分”をぶつけて演じられたのですね

そうですね。自分にはそういう部分もあるんだよ、ということを見ている方たちにわかってもらいたかったというのも大きいです。他の作品でのイメージを、またちょっと変えたくて、実はこういう熱い部分もあるんだよという、やっぱり根本的な部分を見ていただきたい気持ちはありました。

――熱望していた役を演じられた心境は?

役者としては、やりたいと思った作品で演じられることというのは、すごく嬉しいです。実は、オーディションに行った時に「久しぶりに緊張したなぁ」「ダメだったなぁ」と思っていて、終わった後もマネージャーに「あーマジで悔しい。ダメだった、ダメだった。とにかくダメだった……」と結構凹んでいたんです(笑) でも、こうやってやらせてもらえたのですごく嬉しかったです。

――ダメだったと感じた理由は?

緊張して上がっていたのもあって、「もうちょっとやれたかなぁ」と思うことはオーディションではよくあることなんです。なので今回は、演技のうまい下手とかというよりも、中身を見てもらえたのかな、と僕は思っています。

――そんな春日部を演じていて難しかった点は?

マル暴(暴力団関係を捜査する部署)の刑事だから、ミイラ取りがミイラになるじゃないですけど、やっぱり言葉遣いとか格好が似てくるらしいです。でも、この作品の中ではどこまでそれを寄せていくのか。言葉遣いに関しては、きれいな言葉よりも汚い言葉の方が、より若気の至りみたいなものが出てくるだろうと思って演じました。でも、それをやりすぎると「刑事なのか?」というところも出てきてしまうので、そのバランスが難しかったです。

――印象的だったシーンはありますか?

やっぱり僕が一番好きなのは、曾根崎の会見を見ている最中に憤って、テレビに向かって物を投げつけているシーン。台本を読んだ時からずっと好きだったし、演じていても好きなシーンでした。他にも、(戸田丈役の早乙女)太一くんを捕まえるところもすごく好きなシーンです。これまで春日部ほど感情を表に出す役をあまり演じてこなかったし、実生活でもあまりないことですよね。だから気持ちいいみたいなところはありました。僕も言いたいことがあると言ってしまうタイプではありますが、言いたいことも言えないこんな世の中じゃないですか(笑) だからこそ、僕はそういうことを言ってしまえる人間が好きだし、春日部を演じられて良かったと思っています。

――刑事役を通して心境の変化はありましたか?

この作品の中の時効などは、法律的な意味で考えると正しいことではありますよね。でも違う側面から見ると、被害者や遺族がいて、その人たちからしたらそれは正義ではない。だから、物の見方は難しくて、その人の状況や見る角度によって全然違うから、ひとえにこれが正義というのはやっぱり言えないんだろうな、と改めて思いました。