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三歩下がって、三歩戻る!

やっと状況は2013年まで戻ってきました。2020年東京五輪開催費用負担の分担に関して、組織委員会・都・国・関係自治体による四者会談において「立候補ファイル及び大会開催基本計画に示された役割」を基本とすることで合意しました。これはすなわち、大会運営費用は組織委員会・都・国で負担するという本来の方針通りにやりますよ、ということ。小池都知事が狙った関係自治体への負担の付けまわしというのは、事実上断念されました。

2013年に都が自分で決めたことを、都が守ると約束するまでにこんなに時間がかかるなんて。「アタシ聞いてないもん!」「よくわかんないけど気分的にはんたーい!」「どんな理由であれお金は出したくありません(キリッ)」というカッコだけはいいわりに中身は駄々っ子みたいな都知事が、駄々をおさめるまでに浪費した1年間は本当にもったいなかった。周りの大人たちは、とりあえず黙ってくれたことに満足して拳を下ろしたのでしょう。本当は詰めたいところかもしれませんが、もう一回泣かれても面倒臭いので。

しかし、この状況は「1年を無駄にしてスタート地点に戻った」だけであり、事態は緩やかに悪化しています。

おそらくは小池都知事はこの1年間は無駄ではなかったと主張するでしょう。「無駄ではなかったと主張できる」だけのメドが立ったからこそ、駄々をおさめたという言い方もできます。つまりは「アテクシが騒いだことによって、節約できたんです」という放言が可能になった、そのように思っているわけです。

はたして本当にそうでしょうか。現時点で発表されている内容からして、小池都知事が節約した、あるいは無駄を省いたと言えるお金は1円もありません。それは何故かと言うと、大会運営の予算規模というのが正式に定まったのは、この四者会談における合意が「初めて」だからです。これまでに出てきたいろいろな額はすべてドンブリ勘定であり、節約も削減もない、「いくらかかるんだろうなー?」と考えていたときの額に過ぎないのです。

<東京五輪開催費用ドンブリ勘定の歴史>

●2013年1月
立候補ファイルで7340億円と費用を見積もるも、それは会場設営費や運営費のみで「警備や輸送」などは基本的に含まれていない額。鍋パーティーで言えば、鍋と食材の値段をまとめただけ。

●2014年10月
組織委員会の森会長が円安や震災復興のための資材費・人件費の高騰により「1兆円近くになる」と発言。鍋パーティーで言えば、「最近野菜が高いらしいから思ったより買い出しに金がかかるかもしれんなぁ」と言っている段階。なお、スーパーにはまだ行ってない。

●2014年12月
舛添元都知事によるケチケチ見直しがスタート。都外の自治体での一部開催へと舵を切り、2300億円ほどを圧縮。鍋パーティーで言えば、「土鍋はお隣さんから借りよう。このパーティーのためだけに買うのはバカバカしい」という現実的判断をしたところ。なお、鍋を借りた行き掛かり上、お隣さんもパーティーに参加することになってしまった。

●2015年7月
森会長が「最終的に2兆円を超すかも」と発言するも、この発言の真意は「このままだと2兆円を超すかもしれないから節約しなさい」という注意喚起に過ぎず、額面自体はロンドン五輪を参考に適当に言っただけ。鍋パーティーで言えば、料理担当が「マツタケとエノキとマイタケを入れましょう」と言い出したので、「キノコ多くねぇ!?」「もうちょっと考えて作ろうや」「このままじゃ鍋なのに2万円くらいいっちゃうよ?」とたしなめているだけの段階。

●2015年10月
舛添元都知事が「このままだと3兆円を超す」と発言するも、この発言の真意は「このままだと3兆円を超すかもしれないから節約しなさい」という注意喚起に過ぎず、額面自体はロンドン五輪を参考に適当に言っただけ。鍋パーティーで言えば、「お隣が鍋をやったときは2万円くらいかかったらしいわよ」と聞かされて、「じゃ、3万円くらいかかるかもな…」と主催者が不安になっているだけの段階。

●2016年12月
組織委員会の武藤敏郎事務総長が大会の予算規模について「1兆6000億円から1兆8000億円」とする試算を公表。これが初めて出た予算見積もり。鍋パーティーで言えば、幹事がスーパーのチラシを見ながら「エノキと豆腐と白菜と鶏モモを買って、ポン酢買って、コンロのボンベ買って、ビール買って、紙皿と割りばし買って、バス代を入れて1万6000円くらいかな?」と電卓を叩いたという段階。「エノキは好きじゃないからいらない」などの検討はまだまだこれから。

●2017年5月12日

小池都知事が「ざっくり2000億円から3000億円の見直し効果が出せる」と発言。しかし、この額は誰との合意も取れておらず、組織委員会の武藤事務総長は「数字と中身は分からない。都において削減する決意を表明されたのではないか」と発言。鍋パーティーで言えば、主催者が「予算を2000円から3000円削れる」と勝手に言い出したのに対して、幹事が「聞いてないです。わかんないです。主催さんが買うはずだったエノキを買うの止めたんじゃないですかね?」と首を傾げている状況。

●2017年5月31日
組織委員会・都・国によって「1兆3850億円」とする予算が合意に至る。鍋パーティーで言えば、さまざまな検討の結果「予算は1万3500円にします」と幹事が宣言をした段階。なお、主催者からの「土鍋を貸してくれたお隣さんにエノキを買ってきてもらいましょう」という提案は、「鍋貸したうえに、何でエノキ買わなアカンねん」と一蹴され、主催者と幹事が金を出すことが確認された。



パーティーを始めるにあたって「エノキを買うか?買わないか?」と検討するのは誰かの手柄でしょうか。それは誰の手柄でもなく、パーティーの計画を立案していく過程にすぎません。「エノキいります?」「いらない」というのは手柄ではなく、エノキの入っていない鍋を作ることにしただけのことなのです。手柄というのは実際に買い出しに行くときにエノキの安売りを探したり、エノキを自家栽培したりすることでしょう。

しかも、この予算は組織委員会と都の事務方にて検討したもので、額に汗したのは現場の人間。小池都知事のしたことと言えば、「払いたくねーなー」「誰か払ってくんねーかなー」「払うのいやだなー」とソファでウダウダし、「ざっくり2000円から3000円削る(アテクシの出費を)!」と大声を出しただけ。実際は2016年12月の初見積もりとほとんど変わっておらず、単にアテクシの財布から出る金が、何故か目減りしたにすぎないのです。

↓2016年12月公表の初見積もりがコチラ!総予算は1兆5000億円!


施設にかかる費用が7800億円!

大会関係にかかる費用が7200億円!

組織委員会の負担は5000億円!

その他(都・国・関係自治体?)の負担が1兆円!

↓2017年5月31日公表の合意見積もりがコチラ!総予算は1兆3850億円!


施設にかかる費用が8350億円!

大会関係にかかる費用が5500億円!

組織委員会の負担が6000億円!

その他(都・国)の負担が7500億円!

その他(誰かを明示しない)の負担が350億円!

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まず施設にかかる費用。こちらは7800億円⇒8350億円へと増えています。しかし、そのうち恒久施設にかかる費用は3500億円⇒3450億円と横ばいです。増えたのは仮設費用等ですが、「その他」グループの負担は2850億円⇒2900億円と横ばいで、組織委員会の負担だけが1450億円⇒2000億円へと大幅増しています。これは先だって屈服した「仮設施設の整備費約500億円の全額負担」という決定によるものでしょう。

「やっぱりお隣さんにエノキ買わせるのは無理やったか…」「でも、今さらアテクシが買うのはカッコつかないわ…」「幹事!あんたの財布でエノキ買っといて」と付け回すことで、都民に対する負担が見かけ上は増えていないことにしただけです。

そして大会関係(輸送、セキュリティ等)の費用。こちらは7200億円⇒5500億円と大幅に減っています。この部分に対する国の負担は100億円だけということですので、ほとんどすべてが組織委員会と都の負担となります。これは初見積もりに対して、組織委員会の負担が3550億円⇒4000億円と大幅に増え、逆に「その他」グループの負担は3650億円⇒1500億円へと急減しています。

これはどういうことかというと、アテクシが輸送やらセキュリティやらにかかる費用を2000億円も出し渋ったということです。鍋パーティーの主催者が、万一に備えた「消火器」を買うのをケチってバケツに水を汲んできたのです。これでも足りるだろう、と。そして同時に幹事に対して「お前あと1000円くらい出せるだろ」と圧力をかけて、幹事の財布から出る額を増やしたのです。

頑張ったのは組織委員会じゃないですか。

あと1000億円何とかして自力で金を稼ぐことを前提に、アテクシが「アテクシのチカラで都の負担がこんなに減りました」と自慢するためだけの費用分担を取りまとめたのですから。実際は減ったとか増えたという話ではないんですよ。「消火器を買うのを止めて、幹事にあと1000円出させた」だけなんです。

ただ、幹事も鍋パーティーの時間が迫っていることと、最終的に取り立ては主催者に行くことがわかっているので、体裁へのこだわりを捨てたのです。とにかく、主催者さんが納得すればそれでいい、と。主催者さんの財布から出る額が見かけ上減ればいい、と。実際にパーティーが始まれば、主催者さんも気分がよくなって財布の紐が緩むだろうから、と。

アテクシはきっと、来たる都議会選挙でこの見積もりを声高に自慢するでしょう。総予算で1000億円あまりアテクシが削りました、都の負担をアテクシが2000億円〜3000億円削りました、と。違います、これは「本来必要な出費をケチケチプランにランクダウンし、組織委員会にあと1000億円稼いでこいと言い放った」だけなのです。他人の頑張りをアテクシの手柄とし、何かを犠牲にしたぶんをアテクシファーストの手柄にしたのです。

これでようやくスタート地点。アテクシは本来自分が払うべき金が見かけ上減ったことで、気持ちよく選挙に臨めます。組織委員会はアテクシの駄々がおさまったことで、ようやく動き出すことができます。国も駄々がおさまってホッとしています。関係自治体も鍋だけ持っていけばいいんだということが確認できて、ようやく会場へ出発できます。

さぁ、ここからが本番です。チラシとのにらめっこが終わっただけで、まだ買い出しも調理も始まっていないのです。アテクシはソファで寝ているだけですが、幹事と調理担当は大忙しです。昼から準備をするはずが、アテクシがウダウダ言うのでもう夕方です。客がくるまであとたった3年。2013年には決まっていたパーティーまで、あとたった3年です。願いはひとつ、アテクシが昼寝でもしててくれないかな、ということだけ。アテクシが寝ている間に、急いで準備ができるように…。

↓引きつづき350億円の都外会場での運営費の分担は明示されなかったものの、「立候補ファイル通り」という方針だけは決まった!


立候補ファイル通り=組織委員会・都・国の負担!

組織委員会・都・国の「誰か」が払います!

体裁上は組織委員会が払うことにして、あとでお金が足りないことが判明して、アテクシが都知事を辞めて国政に復帰したあとの都が払う、という筋書きです!

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アテクシを「完全屈服」させたらかわいそうだから先送りしてくれた大人の優しさ、それがこの350億円の負担の「不明示」です。「誰か払ってよー!」の駄々に、「お前が払え!」と言い返すのはかわいそうなので、「あとで考えような」と言ってあげた。パーティーが始まるまでは、みんなが機嫌よくいられるように。あったかい人たちに囲まれて、アテクシは幸せ者ですね!

何もかも遅いので「アテクシスローの会」のほうが似合うと思います!