水稲の栽培が約1万年前に長江下流域で始まったとする中国の研究グループによる研究成果がこのほど、米国科学アカデミー紀要に掲載された。資料写真。

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2017年5月30日、中国国営新華社通信によると、水稲の栽培が約1万年前に長江下流域で始まったとする中国の研究グループによる研究成果がこのほど、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された。これは、世界の農業の起源における中国の早期稲作の地位をより確かなものにするものだ。

稲の栽培の起源については定説がなく、インドや中国などが挙げられている。中国国内においても華南起源説と長江中・下流域起源説が存在する。

中国科学院地質・地球物理研究所の呂厚遠(リュー・ホウユエン)研究員とそのグループによると、世界で最も古い水稲化石は長江中・下流域の少数の遺跡だけで確認されており、浙江省浦江県の上山遺跡がその一つだ。だがその年代測定の多くは、陶器の破片から取り出した有機物を放射性炭素年代測定にかけて調べられるが、呂氏らは年代推定の精度を上げるため、プラントオパール中の炭素14を利用した放射年代測定により、9400年前以前のものと推定している。

呂氏は「この方法で測定された上山遺跡の層位と最下層からの距離、およびイネの栽培化の速度の遅さを考慮すると、栽培が開始された年代は約1万年前の完新世の開始期におおむね一致する」と説明している。(翻訳・編集/柳川)