【ビデオ&フォト】BMW、「M8」のプロトタイプを公開 ル・マン復帰も視野に

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BMWが「7シリーズ」の性能と価格を凌ぐ秘密兵器「8シリーズ」のコンセプト・モデルを発表したのは5月25日のことだが、それよりさらに高性能で狂暴なモデルが早くも登場するようだ。BMW M部門が「M8」のプロトタイプを公開したのだ。


ニュルブルクリンク24時間レースがスタートする数分前、最上級BMWクーペのホット・バージョンがカモフラージュを施した姿で披露された。一足先に公開された「コンセプト 8シリーズ」は単なるデザイン・スタディではなく、25日と26日にはコモ湖畔で実際に走行して見せている。BMW Mによると、M8も数年前から開発してきたという。

「通常の8シリーズとM8の構想や開発は、同時に進められてきました。新型MモデルとなるM8は、8シリーズの遺伝子を受け継ぎながら、そのDNAをサーキット走行に合わせて高めたクルマです。さらに鋭い動力性能と精緻で俊敏な運動性能を備えています」と、BMW M社のフランク・ヴァン・ミールCEOは語っている。



新型M8は現行の「M6」より高い価格になることが予想されるため、購入する方は潤沢な可処分所得が必要だ。現在のBMWで最も高価な最高級ラグジュアリー・セダン「760Li」と、ロールス・ロイスとしては低価格なクーペ「レイス」の間の価格帯となる新型8シリーズの中でも、M8はそのトップに位置することになるからだ。

M8は、メルセデスAMG「S 63 クーペ」や、ベントレー「コンチネンタルGT」の競合として市場に導入されるが、BMW MではGTレースに参戦しているアストンマーティンやポルシェ、フェラーリに対抗するレースカーのベースになることも期待しているようだ。



他のMモデルと同様に、M8は大型エアインテークが開けられたフロント・エプロンや、強力なブレーキ、4本出しのスポーツ・エキゾーストを備えることが、カモフラージュされたプロトタイプを見ても分かる。

しかし、BMW Mシリーズで市販化を待つモデルは、このM8だけではないと、同社セールス&マーケティング上級副社長のイアン・ロバートソン氏は言う。

「Mの遺伝子を受け継ぐ他のモデルも開発中です。今年後半にまず1台の新しいM(M5)が発表される予定で、さらに来年にはまた別のM(M8)が登場します。M8はM5より速いクルマになるかって? それは間もなく分かるでしょう。しかし、我々の方法論を考えていただければ、M8が素晴らしいスポーツカーになることはお分かりだと思います。我々はそれを適切に位置づけます。あらゆる可能性の基準において、適切に位置づけられたクルマになると思ってください」

ロバートソン氏もヴァン・ミール氏も、同車のパワートレインについては明らかにしていないが、車体のフロント・エンドに掛かる重量を考えると、V型12気筒は採用されそうにない。最も可能性が高そうなのは、M5の4.4リッターV8ツインターボをさらにチューンして搭載することだろう。さらにBMW iから電気モーターによるブースト技術を受け継ぐことも考えられる。0-100km/h加速は3秒台前半になると予想されている。



BMWがM8というクルマを発売するのはこれが初めてだが、Mでは過去にも同名のクルマが開発されていたことはある。1990年に6.0リッター自然吸気V12エンジンを当時の8シリーズに詰め込んだプロトタイプが製作されたのだ。市販化はされなかったが、トランクリッドにはM8のバッジが付けられている。このエンジンは結局、あの伝説的スーパーカー「マクラーレン F1」に搭載されることになった。



また、BMW M社ではこれをベースに「M8 GTE」と呼ばれる新しいル・マンGTカテゴリ用レースカーの開発も進めているそうで、来年1月のデイトナ24時間レースで実戦デビューする予定だという。

「ル・マン復帰に向けて、BMW M8 GTEの開発プログラムは始動しています」と、BMWモータースポーツのディレクター、イエンス・マークアート氏は語る。「まだ写真はお見せできませんが、BMW M8 GTEが壮大なクルマになることをお約束します。今年前半に最初のお披露目を計画しており、2018年の1月に行われるデイトナ24時間レースでのデビューを予定しています」。



By Michael Taylor
翻訳:日本映像翻訳アカデミー