大日本印刷(DNP)と、同社の100%子会社であるDNPコミュニケーションデザインは、自動会話プログラム(チャットボット)を活用して、顧客のニーズに合わせた情報を提供するサービス「DNP Chatbot プラットフォーム」を開始する。利用者の多いLINEでサービスを提供することにより、利用者の増加を図る。

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 「DNP Chatbot プラットフォーム」はLINEビジネスコネクトを活用し、利用者からの問い合わせに対して企業のLINEアカウントから各種情報を会話形式で配信する送受信システム。会話に合わせてタイミング良く商品情報や広告、画像や動画コンテンツなどの情報を送信する。またLINEのグループトークを利用することで、複数人で同じ情報を共有でき、スマートフォン用のアプリのようにダウンロードする負担もなく、利用者の利便性も高める。

 サービスの第一弾として、31日より「JR東日本Chat Bot」LINE公式アカウントで実証実験を行う。JR東日本が提供する運行情報や列車の位置、天候や駅構内図、コインロッカーの場所や空き情報などをLINEの会話形式で表示する。例えば、JR東日本のある路線を「My路線」としてあらかじめ登録しておくと、メッセージに「路線」とメッセージを送るかアイコンをクリックすることで情報が表示される。個人としての利用のほか、待ち合わせをするグループが同じ画面でタイムリーに運行情報や駅構内情報を共有するといった使い方が可能だ。

 9月30日までを試行期間とし、その間に随時提供する情報を追加していく。利用者へのアンケートや利用状況の調査を通じてサービス内容を評価し、今後の実用化を目指す。

 大日本印刷は今後、鉄道向け以外に、小売・流通、銀行、金融などの企業にも「DNP Chatbot プラットフォーム」の販売拡大を目指す。プラットフォームの汎用機能として、メッセージ送受信システムや自然言語解析、ログ管理などを行うほか、商品や顧客情報、独自辞書データ、会話ルール、広告情報など顧客企業に合わせたカスタマイズを行い、企業側のクラウド環境とも連携を行う。