北朝鮮が国境警備隊の一部の部隊で、GPSの導入を進めていることがわかった。一部では既に試験運用が始まっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、穏城(オンソン)郡駐屯の国境警備隊4中隊は、最近になって隊員にGPSを装着させるようになった。この地域が、密輸と脱北の主要ルートになっており、それを取り締まるためだ。

GPSは、国境で警戒勤務を行っている隊員の自動小銃の紐につける。これにより、隊員が勤務地から無断で離脱する行為が減り、警備の厳重さが大きく向上したとされる。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、金正淑(キムジョンスク)郡駐屯の国境警備隊25旅団5大隊でも、GPSが試験的に導入された。

しかし、この地域は北朝鮮側でも中国側でもかなりの奥地で、脱北や密輸がさほど行われていないことから、情報筋は「なぜ導入されたのかわからない」と首を傾げている。一方で、隊員が中国に忍び込み、強盗などの犯罪を犯したり、サボって掩体壕で居眠りをしたりすることを防ぐためではないかと推測している。

導入されたGPSは、丸い石鹸のような形で、小さなLCDの画面が付いており、電源スイッチ以外のボタンはなく、北朝鮮製のものと思われる。

このGPSが、位置確認だけを行うのか、音声の録音までするのかなど、機能は明らかになっていない。また、GPSの監視センターは、中隊ではなく、かなり離れたところにある大隊本部にあるため、どのように監視が行われているのか、状況を探りに行くことも難しい。

そのため隊員たちは、脱北や密輸の幇助を一時的に止めている。しかし、「上に政策あれば下に対策あり」のお国柄だけあって、GPSがどのように機能しているのか、どうすれば無力化できるかなどの情報が出回るのは時間の問題だろうと情報筋は見ている。