パニック障害という病名を聞いたことはありますか? 芸能人にもパニック障害だったことを公表した方がいるので、なんとなくは知っている人も多いでしょう。パニック障害は気持ちの問題ではなく、誰にでも突然起こる可能性がある病気です。今回は体験した方の話をもとにパニック障害について知ってほしい症状や対処法などをご紹介します。

一般的に語られるパニック障害はこんな病気

突然の激しい動悸やめまい、過呼吸、呼吸困難などの身体症状と、強い不安や恐怖感を伴う発作が起こります。発作自体は20〜30分で治まりますが、発作を繰り返すうちに「また起こったらどうしよう」というパニック発作に対する強い不安や恐怖が生まれてしまいます(予期不安)。人混みや逃げ場のない場所、過去に発作を起こした場所を避けるようになり(広場恐怖)、不安と発作の悪循環に陥ってパニック障害が悪化し、うつ病を併発することもあります。20〜30代の女性に多く、神経伝達物質であるノルアドレナリンとセロトニンのバランスが崩れることが原因だといわれています。

経験者に聞いた「こんなに大変だと思わなかった」
パニック発作

過去にパニック障害に苦しんだ方に当時のお話を聞きました。その方々は、それまで特別うつ症状があったり、精神疾患があったわけではありません。いずれも突然、パニック発作に見舞われました。

●「美容院でシャンプーをしてもらっていたら、突然胸がソワソワして動悸がした。最初は疲れてるのかな? と思い我慢していたが、冷や汗が出てきて浅い呼吸しかできない。周りの声が遠くなり、とにかくそこにいることが怖くて途中で帰ってきてしまった」

●「仕事の資料を作るためにコピー室にいたが、突然息が苦しくなって心臓がバクバクしてきた。なぜか部屋を出るという選択が思い浮かばず、どうしていいかわからず泣きながら部屋の中をひたすらウロウロと歩き回った」

やはり皆さん、最初の発作は突然のことで対処ができずに「自分に何が起こったんだろう? 」という気持ちと「疲れていたのかな? 」という考えでそのまま次の発作に見舞われてしまいます。

●「自宅で突然発作が起こり、軽い呼吸困難、動悸、どうしようもない恐怖に居ても立っても居られなくなり、ぬいぐるみを抱えて泣きながらずっと部屋の中を歩き回った。失禁していたが、そんなことよりもとにかく怖かった」

クリニックを訪ね、パニック障害と診断されて治療している間も、発作が怖くて外に出れず、お風呂やトイレも怖い時期があったそうです。当然仕事も休まなくてはならず、それがストレスでうつ病寸前になった方もいらっしゃいました。私たちが想像する「動悸や過呼吸、めまい」などの症状もそうですが「居ても立っても居られない恐怖」「どうしてよいのかわからない・自分をコントロールできない」という症状がいちばん辛かったとおっしゃっていました。

完治には時間がかかる。もしも発作が起こってしまったら

パニック障害は心療内科や精神科で診てもらえます。治療法はセロトニンを増やすSSRIや抗不安薬などの薬物療法と認知行動療法や自律訓練法などの心理療法があります。ほとんどのクリニックが薬物療法になりますが、いきなり多量の薬物を処方されて副作用が酷かった方もいらっしゃいました。普通は最低限の用量から始めて、副作用もパニック発作も起きない適量を見定めていきます。

そのためには定期的に通院しなくてはならず、発作のためにバスや電車の公共機関に乗ることができない人には通院自体が大変だったようです。投薬はパニック障害の治療には必要なものですが、副作用があったり効果が出ないと勝手にやめてしまうと中断症候群という強い副作用が起こることもあるため、どうしても合わないと感じたらクリニックを替える選択肢もあるかもしれません。パニック障害の治療には2〜3年かかることもあるので、家族や友人、会社の同僚など周りの人に病気のことを理解してもらうことも大切です。

パニック障害は性格や気持ちの問題ではありません。脳の神経伝達物質のバランスが乱れて起こる脳の病気です。正しく治療すれば完治できるので、焦らずにゆっくり治していきましょう。内科の病院にかかっても「ストレス」「疲労」「自律神経失調症」「うつ病」などと診断されてしまうこともあるようなので、パニック障害と診断してくれる心療内科や精神科で治療を受けることが重要です。

※パニック障害の症状には個人差があります。今回お話を聞いた方の症状が全てではありません。


writer:しゃけごはん