ベネズエラ戦で途中出場した久保だが、輝きを放てず……。チームも敗れ肩を落とした。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[U-20ワールドカップ決勝T1回戦]日本 0-1 ベネズエラ/5月30日/韓国・大田

 試合後にこの一戦の感想を問われた際、最初のひと言を発するのに約15秒ほどの間が空いた。本来なら淡々と受け答えする久保だが、この日のミックスゾーンでの姿はこれまでとは様子が異なっていた。

 ここまでの3試合と同じくベンチスタートとなった久保は63分、郄木彰人に代わってピッチに登場。中盤から前線のスペースでパスをもらい、パスやドリブルを交えながら攻撃に流れを作る役割は今までと変わらない。延長に入り101分には、堂安律、岩崎悠人との連係から堂安のシュートを導いている。

 ただ、プレー全体を振り返ると輝きを放ったとは言い難い。テクニックで敵をいなす場面は見られず、むしろ、フィジカル勝負に持ち込まれた際の分の悪さが、改めて浮き彫りになった印象さえある。南アフリカ戦では決勝点をアシスト、続くウルグアイ戦では決定機に絡むなどそれなりに存在感を示してきたが、この試合では最終局面で違いを見せられず、一転してインパクトを欠いた。

 それは本人も自覚している。思い通りのプレーができず、期待に応えられなかった悔しさは、その一つひとつの言葉からも十分に伝わってきた。

「自分の経験になろうがなるまいが、しっかり1試合1試合を大切にしてきたんですけれど、今日は余り収穫もなく……。もう帰るしかないんですけれど、本当に残念です」

 世界が相手だろうとなにかをやってくれる――。ピッチに立てばそんなオーラを漂わせていたが、最後まで“沈黙”を続けたベネズエラ戦のプレーには本人も「本当に不甲斐ない」と納得はしていない。

 幸い、久保にはこの屈辱を晴らすチャンスが残されている。同じ年代別世界大会となる10月のU-17ワールドカップは、同年代のライバルを相手にどこまで通用するのか、実力を測る格好の舞台だろう。

「こういう思いはこれから先も何度もあると思うんですけれど、でも本当にこういう思いはこれを最後にしたいと思っているので、まだまだ先の話ですけれど、選ばれたらこういう終わり方はしたくない。もっともっと努力していきたい」

 U-20ワールドカップで得た経験を糧に、久保は新たなチャレンジへと向かう。

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取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)