婚姻届の「証人」誰に頼んだ? 先輩カップルに聞いてみたところ……

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近々結婚予定のある人もそうでない人も、婚姻届には「証人」が必要なのを知っていますか? 「証人」と聞いて、誰に頼めばいいのだろう……と疑問に思った人も多いでしょう。今回は、婚姻届に必要となる「証人」について、なぜ必要なのか、また誰にお願いすればいいのかなどを、アディーレ法律事務所・篠田恵里香弁護士の解説や既婚男女にとったアンケートを元に紹介します。

■婚姻届の証人とは?

そもそも、なぜ婚姻届が受理されるためには「証人」が必要なのでしょうか? 婚姻届における証人の定義や証人の条件について、篠田先生に教えてもらいました。

◇勘違いしている人多数! “保証人”ではなく“証人”

「結婚するのになぜ証人が必要か」……、結論としては「法律で決まっているから」です。民法739条では、以下のように定めています。

第739条(婚姻の届出)

婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

なぜ、法律でこのような証人を必要としたのか。それは、「結婚」や「離婚」といった身分行為はとても重要なものであるため、当事者の結婚等の意思が確実であることを二人の証人によって保証させようとしたわけです。

よく誤解されがちなのが、「婚姻届の証人欄にサインしたら、結婚詐欺とか偽装結婚などの責任を負わされるのではないか」「本人に代わってお金を払わねばならないではないか」と、「保証人のように考えている」ところですね。しかし、婚姻届の証人になるということは、「この人たちは本当に結婚する意思があって婚姻届を出すんですよ」という証言者となるようなもので、これによって保証人のような責任を生じさせるわけではありません。

ただ、証人が「本人の意思」を保証するという意義を有するものである以上、証人には少なくとも「当事者の意思を確認する」という法律上の義務があるとされています。これを怠って、本人の意思を確認しないままに証人となった場合には、民事上の損害賠償責任を負うとした判例がありますので注意が必要です。

◇証人は、成人なら誰でもOK

基本的に証人となるには、成人している方であれば誰でもよく、二名必要とされています。両親等の親族でもかまいませんし、外国人の方でも構いません。極端な話で言えば、街中で歩いている方に声をかけて、婚姻の証人になってくださいと頼むことも可能なわけです。

ただし、証人が上記のような目的で設けられたものである以上、婚姻届の「夫・妻」欄に記載された二人が、本当に結婚する意思があるということを、しっかり確認することが必要です。

◇証人する人が用意するもの

証人となる人は、届書に署名、押印し、生年月日・住所・本籍を記入することになっています。婚姻届の証人になる場合に使用する印鑑は、印鑑登録をしている実印でなくとも構いませんので、100円で購入した印鑑でも問題ありません。印鑑による押印でなくともいいとされているので、拇印を押す方法も可能です。押印自体ができないときは、婚姻届の「その他の欄」に事情を記載し、署名のみすればいいとされています。

■証人は誰にお願いするべき?

証人は、「成人していて」「二人の結婚の意志を確認している」人であれば、誰にでも頼めることがわかりました。しかし、「誰でも」と言われると、逆に迷ってしまいますよね。では一般的には、誰に頼むことが多いのでしょうか? 先輩カップルに聞いてみました。

Q.入籍届けを提出する際、「証人」を誰に頼みましたか?(複数回答)

1位:両親
2位:友人
3位:親戚
4位:その他
5位:祖父母

◇1位:両親

・「1番身近で頼みやすかったのと、認めてもらったのも含めて」(28歳/建設・土木/その他)

・「両親にきちんと認めてもらって結婚するのが筋だと思ったから」(31歳/金融・証券/秘書・アシスタント職)

結婚を認めてもらいたい相手といえば、やはり両親ですよね。証人をお願いされたら、両親も安心して子どもの結婚を受け入れられるのではないでしょうか。

◇2位:友人

・「海外で結婚したので、身内はみんな日本にいたので、友人に頼みました」(39歳/医療・福祉/専門職)

・「結婚を反対されたので親には内緒のため、主人の知り合いにお願いしに行きました」(38歳/金融・証券/専門職)

遠くの親戚より近くの他人。もちろん、友人はただの他人ではありませんから、困ったときには親身になって助けてくれるかもしれません。友情は温めておきましょう。

◇3位:親戚

・「二人のことをよく知っていて信用できるから」(36歳/その他/事務系専門職)

・「旦那さんがお世話になった叔父さんと旦那さんの親友が、信頼できそうな方だったので」(38歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

叔父・叔母、いとこなど……。実の両親や兄弟よりも、親戚と仲がいいという人もいるでしょう。自分の家族じゃなくても、二人を祝福してくれてる親戚にお願いしたい人は少なくないようです。

◇4位:その他

・「行きつけのお店のマスター。元々、主人が10年以上通っており、父親みたいな存在でお世話になっているから」(35歳/商社・卸/営業職)

・「会社の寮の管理人さん。私たち二人のことをよく知ってくれているから」(27歳/食品・飲料/事務系専門職)

親戚の次に多かった「その他」には、二人の共通である知人を上げる人が多数。行きつけの店のマスターや、会社の寮の管理人さんにお願いした……という人もいました。

◇5位:祖父母

・「父母に頼みたかったが、ちょうど仕事で近場におらず、また、提出したい期限までに書けそうな親族がいなかったから」(35歳/自動車関連/その他)

・「旦那さんが小さいころから一緒に住んでいる祖母に頼みたいと言ったから」(32歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

いざというときに頼りになるのが祖父母。両親に証人をお願いできないとき、ピンチヒッターになってくれるケースがあります。もちろん、最初から大好きな祖父母をご指名する人もいました。

また、惜しくもトップ5位にランクインならなかった「兄弟・姉妹」ですが、コメントには「お互い兄弟に紹介するついでに」(38歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)、「仲のよい姉妹だから、妹夫婦に頼んだ」(32歳/その他/事務系専門職)といった意見が挙がりました。

両親、友人、親戚など……、二人の結婚を一番祝福してくれそうな相手や信頼できる相手にみなさん証人をお願いしているようですね。あなたにとってそんな人は誰ですか?

■「証人」を頼める人がいない……そんなときどうする?

周りから祝福されて結婚するカップルもいれば、そうでないカップルもいるでしょう。では後者の場合、誰に証人を頼めばいいのでしょうか? 篠田先生に聞いてみました。

◇どうしてもいない場合は証人の代行サービスを利用

上記のとおり証人は誰でも構いません。なので、とにかく誰かを探して証人になってもらうのが最善の方法でしょう。証人の代行サービスなどもあるようですが、お金を払って証人になってもらわなくとも,誰かにサインしてもらえれば問題ないので、わざわざ利用するメリットは乏しいでしょう。お金を出すのであれば知人に証人になってもらい、ご飯をご馳走するなどの方が有益なように思います。

◇代筆はNG!

「どうしても証人が見つからない」からと言って、勝手に証人欄に署名押印してはいけません。この行為は「勝手に他人の名前を使って書面を作った」という評価となり、私文書偽造罪が成立します。これを役所に提出する行為も偽造私文書偽造罪となりますので、絶対にしてはいけません。

しかし、代筆が絶対に許されないかというとそうではありません。証人が身体障害等のために署名ができない場合は、氏名を代書し、押印する方法も許されています。また、本人の委任があれば、本人に代わって当事者欄や証人欄に代筆してもよいかが問題となりますが、法律上「署名」が必要とされている以上、やはり本人の直筆が必要と考えられます。遠く離れている両親に証人をお願いする場合でも、郵送などの方法で必ず直筆でサインをもらうようにしてください。

■まとめ

婚姻届における証人の定義や証人の条件、先輩夫婦が誰に「証人」をお願いしたのかについて紹介してきました。いかがでしたか? 証人は、入籍するのに必要不可欠な項目です。とはいえ「保証人」ではありませんので、証人をお願いするときは相手に誤解のないように! こちらで紹介した内容を相手にも伝えてあげてくださいね!

(監修:アディーレ法律事務所 篠田恵里香、文:ファナティック)

※画像はイメージです

※マイナビウーマン調べ
調査日時2017年5月16日〜2017年5月18日
調査人数:211人(22歳〜39歳の既婚女性)