photo: 小原啓樹
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チタニウム腕時計がたどり着いた、ひとつの到達点。

30年以上も愛されている、時計メーカー、シチズンの腕時計ブランド「ATTESA(アテッサ)」。その特長は、1987年の誕生から一貫して「チタニウム」を使っているところにあります。ATTESAの歴史とチタニウムという素材は、まさに切っても切り離せない関係なんです。

でも、30年前のブランド誕生当時「チタニウム」は、扱いが非常に難しい素材だったといいます。というのも、「チタニウム」と聞くとなんとなく硬いイメージがありますが、腕時計に使われている純チタンは、じつは「軟らかく、キズがつきやすい」素材。その加工の難しさから、過去にはチタニウム製の時計にはデザインに強い制約がありました。


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photo: 小原啓樹


今年30周年を記念して登場した「F900」にも、ケース、バンド、ベゼルなど、すべてにおいてチタニウムが使われています。現在ではチタニウムの加工技術が上がり、デザインにも自由度が生まれました。このとおり、細部も立体的かつ高級感があり、表面加工もとてもスムースな仕上がり。こうして眺めてみても、「チタニウムは加工が難しい」といわれていた時代が嘘のようです…。

でも、なぜシチズンは30年前に加工の難しいチタニウムを採用したのでしょう? 30年前に初代モデルをデザインした小松淳さんと、最新モデルをデザインした井山健二郎さんにお話をうかがってきました。


初代デザイナーが語る「チタニウム」の難しさ


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photo: 小原啓樹
小松淳さん


──そもそもATTESAは、なぜ「チタニウム」なのでしょうか?

小松さん:チタニウムには、古くから時計の素材として使われているステンレスや真鍮にはない、腕時計の素材としての素晴らしい利点があります。まずひとつが軽いこと。ステンレスの約半分(※)ぐらいの重さなので、腕にずっと着けていても疲れません。次に、耐メタルアレルギーで人体にやさしいこと。そして、ステンレスよりもサビに強いことです。

この3つの特性は、腕時計の素材として理想的です。そこで、そのチタニウム素材を前面に打ち出したものとして「ATTESA」ブランドが誕生したというわけです。

※ステンレスよりも約40%軽い

──しかし、ATTESA誕生当時はチタニウムの加工は難しかったようですが、具体的に、どんなところが難しかったのですか?

小松さん:一般的に「チタンは硬い」と思われていますが、時計に使われる「純チタン」は非常にやわらかい素材です。プレスや研磨加工が難しいだけでなく、ちょっとした衝撃でキズがつくという欠点もありました。当時はチタニウム独特のグレーの色味を変えることもできませんでした。

──そういわれると、初期はグレーの色味が濃い気がします

小松さん:マットで少し暗めのグレーですよね。これが本来のチタングレーの色なんです。


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photo: 小原啓樹
1987年発売、ATTESA初期モデル

──小松さんがデザインした初期モデルは、シンプルながらすごくインパクトがありますね

小松さん: 1969年にアポロ11号の月面着陸があり、月から持ち帰った素材の中にはチタンが多く含まれていました。チタンはロケットやタービンの素材として使われていて、一般的に「チタン=宇宙素材」というイメージが強くあったんです。

──なるほど。だから、少し近未来っぽいデザインというか

小松さん:チタンという素材を使うなら、ひとつはどうしてもこういう形にしたかった。会社にわがままを言って、強引につくらせてもらった感はあります。でも、そのおかげで当時は大きな反響がありましたね。


ATTESAが目指した「ステンレスの輝き」


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井山健二郎さん


──チタニウムの加工技術は、いつ頃から進歩しはじめたのでしょうか?

小松さん:シチズンの表面硬化技術(デュラテクト)の誕生が1999年ごろです。それ以降は、グレーの色調にも幅が出せるようになり、ステンレスに近い色味を出せるようになりました。


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photo: 小原啓樹


──磨きの技術も、それぐらいから?

小松さん: 2000年ぐらいからは、そういう表現が可能になり始めたと思います。ステンレスと同じ表面仕上げができるのは、チタニウム腕時計にとってはかなり画期的なことでした。まあ、井山さんたちの世代はそれが当たり前になるわけですが。

井山さん:はい、もうストレスフリーですから(笑)。でも、こうして歴代モデルを比べてみると、デュラテクトの登場がひとつのターニングポイントですよね。というのも、デュラテクトが開発されてからは、ステンレスと同じ質感に近づいていくわけですから、いい意味でも悪い意味でも、チタニウムということが見た目だけでは判断できません。

小松さん:チタニウムがステンレスの輝きを追い求め、いまではほぼ同じレベルのところまで来ているのは事実です。でも、それだと「チタンらしさ」がないという意見も出始めていて、ドイツなどでは色味を少しグレーに戻していたりもします。

──あえてチタンらしさを出すために

井山さん:実はATTESAにもそういうところがあって、ちょっとだけグレーがかった色味にしています。そういう「チタンらしさ」というのは、すごく意識しますね。

──チタンの加工技術が進化して、もはやステンレスと見分けがつかないレベルにまで達しているんですね

小松さん:時計メーカーの中で、チタンの表面処理部門が社内にある企業はほとんどありません。企業としてもかなり力を入れて研究しているからこそ、チタンでもここまで美しくできるという自負はありますね。


ATTESAを進化させる「宇宙」というキーワード


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photo: 小原啓樹


──ATTESAの30周年記念限定モデルは、これまでとなにが違うのでしょうか?

井山さん:僕が担当した最上位モデル「F900」は、ATTESAではじめてとなる「デュラテクトMRK」というガス硬化技術を採用しています。素材にガスを浸透させて素材そのものを硬質化させる技術です。硬化層が厚い分、打痕にも強い。数値的にはステンレスの約5倍の表面硬度があります。

──ステンレスの5倍!? それはすごいですね

井山さん:「F900」には「デュラテクトMRK」と従来の「デュラテクトDLC」の2つの硬化技術を複合処理しているため、素材自体が硬く、表面の引っかきキズにも非常に強い。毎日使い込んでも、買ったときの美しさをずっと維持してくれます。

──デザイン面では、どんなことを意識されましたか?

井山さん:ATTESAのデザインワークには、決められたデザインの制約やルールというのがありません。その時代の担当デザイナーが、それぞれの感性で自由に創造してきました。しかし、今年は30周年ということもあるので、そろそろ過去モデルを振り返りながら「ATTESAのDNA」というものを見つめ直している時期でもあるんです。

──ATTESAのDNA、というと?

井山さん:形というより、概念の部分ですね。もともとアポロの月面着陸があって、そこからチタンという宇宙素材が注目された。さらに今回は「エコ・ドライブGPS衛星電波時計」でもあるので、やはり初代モデルが表現していた「宇宙」というキーワードがヒントなのかなと。30周年モデルの文字板も、宇宙空間の淡い光や星の煌めきといったものを意識しています。


原点回帰で見えた「ATTESA」の未来とは?


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photo: 小原啓樹


──今年で30周年を迎えたATTESAですが、これから先はどのように進化していくと思いますか?

井山さん:先ほどドイツでは「チタンらしさ」に戻りつつあるという話もありましたが、現場的な感覚でもやっぱりそっちに戻るような気はしています。

──ということは、今後はより「チタンらしさ」がポイントになると

井山さん:以前に戻るという発想ではなく、スパイラルアップしていくようなイメージですね。その進化の過程で、もしかしたら以前のようなデザインをフィードバックする可能性は十分にあり得ると思います。

──ステンレスの質感を追い求めてきた時代から、ステンレスと差別化を図る時代に突入していくわけですね

井山さん:そうですね。純チタンの特性をいかしながら素材の弱みを改善する、という50年近くに及ぶテーマに対し、シチズンはすでに達成しつつあるといえます。これからはステンレスの時計に対してどう差別化し、見た目でチタニウム時計と認識させるにはどうするべきか。これはシチズンだけの話ではなく、世界中のチタニウム時計の認知拡大のためにも、いずれは解決しないといけない課題です。ATTESAというブランドには、その使命があると思っています。

──そういう意味では、30周年記念モデルはこれまでの進化のひとつの到達点ともいえますね

井山さん:到達点であると同時に、ここからがチタニウム腕時計の新たなスタートだと思います。


チタニウム腕時計の未来を創る、それが「ATTESA」に与えられた使命


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image: citizen
左:E610(AT3055-57L) / 中央:F900(CC9065-56L) / 右:H820(AT9105-58L)


ATTESAブランド誕生30周年を記念して発売されたのは、井山さんがデザインした最上位モデル「F900」を含む全3モデル。

ダブルダイレクトフライトを搭載したエコ・ドライブ多極受信型電波時計「H820」は、スーパーチタニウム™を用いたケースに「デュラテクトMRK」と「デュラテクトDLC」の硬化技術を複合的に施し、キズに強いのが特長。また、デイリーユースに最適な「E610」は、エコ・ドライブ電波時計の多機能モデル。両方とも、6時位置にあるスモールダイアルに施したゴールドリングで「金環日蝕」が表現され、他のATTESAにはないスペシャル感が演出されています。

「F900」は数量限定1000本で、価格は23万円(税別)。「H820」は数量限定1500本で、価格は16万円(税別)。「E610」は数量限定1800本で、価格9万円(税別)です。


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誰もが難しいと思っていたチタニウムの加工に挑み続け、いまでは世界最高峰のチタニウム加工技術を実現させたシチズン。未来の可能性に胸を踊らせ、現状に満足することのない謙虚な姿勢があったからこそ、ATTESAはここまで美しく進化することができたのです。

ATTESAとは、イタリア語で「予感・期待」を意味します。その言葉が示すように、ATTESAがチタニウム腕時計の未来をどう切り開いていくのか、これからの進化にもますます目が離せません。


source: ATTESA

(稲崎吾郎)