第70回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作『BPM (Beats Per Minute)』2017年日本公開へ

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 第70回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作『BPM (Beats Per Minute)(英題)』が、2017年に全国公開されることが決定した。

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 本作は、第61回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『パリ20区、僕たちのクラス』の脚本・編集を担当し、監督作『イースタン・ボーイズ』で第70回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門最高賞を受賞した、ロバン・カンピヨ監督の長編第3作。1990年代初頭のパリを舞台に、エイズの感染による差別や不当な扱いに抗議し、政府や製薬会社などへ変革に挑んだ実在の団体ACT UP(the AIDS Coalition to Unleash Power=力を解き放つためのエイズ連合)の活動を通して、若者たちの恋と人生の輝きを描く。キャストには、『肉体の森』のナウエル・ペレ・ビスカヤーや『午後8時の訪問者』のアデル・エネルらが名を連ねる。

 本年度のカンヌ国際映画祭審査委員長を務め、自身も熱心なLGBT人権活動家でもあるペドロ・アルモドバル監督は、授賞式後の記者会見で、「映画は素晴らしかった。最初から最後まで心を打たれたよ」と涙を流しながら、「ロバン・カンピヨ監督の作品は、我々(審査員)の大多数が気に入っていた。きっとどの国でも成功を収めるだろう。ストーリーは何年も前に起こったことであり、これはLGBTの人々によって伝えられるべきである。不公平な世の中について語っていて、何人もの命を救った本物のヒーローたちをカンピヨ監督は描いてくれた。それには私たちも共感している」と思いの内を語った。

 ACT UPのメンバーだったカンピヨ監督自身の経験がベースになっている本作。カンヌ国際映画祭授賞式のスピーチでカンピヨ監督は、「この作品は、エイズで亡くなられた方へのオマージュであるとともに、頑張って生きている方々を勇気づけるものでもあります。勇気を持って闘い続けている人、当時命を懸けてACT UPの活動を行った人を想い、この作品を作りました」とコメント。授賞式後の記者会見では、治療薬を提供しないフランスの製薬会社を巡って、ミッテラン政権と闘った当時の経験を振り返りながら、「この時代を生きるヒーローを描きたかったんだ。10年間もこの感染症に耐えなければならず、世間に被害者として見られ、急に“病んでいるホモセクシュアル”として見なされながらも、何人もの命を救う行動を起こしたことは、英雄的だったと思う」と語った。(リアルサウンド編集部)