インドネシア・ジャカルタ特別州のバスキ・チャハヤ・プルナマ知事(当時)の公判に証言者として出廷したイスラム強硬派の指導者リジーク・シハブ氏(2017年2月28日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】イスラム教を侮辱した宗教冒涜(ぼうとく)罪で今月収監された、ジャカルタ(Jakarta)特別州のバスキ・チャハヤ・プルナマ(Basuki Tjahaja Purnama)知事に対する抗議デモの組織化を支援したイスラム強硬派の指導者の1人が、わいせつ罪の容疑者として名前が挙がっていることが分かった。

 30日の警察発表によると、女性とわいせつなメッセージを交わしたとして反わいせつ法違反を問われているのは、イスラム強硬派「イスラム防衛者戦線(FPI)」の指導者、リジーク・シハブ(Rizieq Shihab)容疑者。警察は別件の名誉棄損事件でも同容疑者を捜査しているが、同容疑者は巡礼のためにサウジアラビアを訪問した後、帰国しておらず、警察の再三の出頭命令に応じていない。

 専門家筋はこの動きについて、イスラム教徒が多数派を占めるインドネシアで、イスラム強硬派が影響力を増しているとの懸念が強まる中、ジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領率いる政府が強硬派への締めつけを試みた一例だとみている。

 シハブ容疑者は、ウィドド大統領の盟友であるジャカルタ特別州のプルナマ知事が再選を目指した昨年の選挙戦中、イスラム教の聖典コーランを侮辱したとして起きた一連の抗議デモを組織した中心人物の一人だった。この論争をきっかけにプルナマ知事は落選した上、宗教冒涜(ぼうとく)罪で禁錮2年の実刑判決を受け、今月収監された。

 FPIは長年、インドネシア国民の大半の見解を反映しない極端な主張をかざす、非主流派の組織とみなされてきた。イスラム教の断食月(ラマダン)の期間中にバーを襲撃した事件などで知られていたが、昨年の抗議デモをきっかけに国内での存在感を増した。

 インドネシアの司法制度では容疑者として名前が挙がった段階で、起訴するに足る証拠があると当局が考えていることを意味し、こうした場合は通常、裁判に持ち込まれる。

 一方、シハブ容疑者の弁護士は、容疑者は反わいせつ法に違反しておらず、「残酷な行為の犠牲者だ」と述べた。シハブ容疑者からメッセージを受け取った女性もこの件で容疑者とされている。
【翻訳編集】AFPBB News