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オーダーメードで、ロールス・ロイス

その名はロールス・ロイス・スウェプテイル。1920年代の「スウェプト・テイル」を愛するあるクライアントが、かつてのモデルが備えた特徴を引き継ぐワンオフ車両をオーダーした。

「スウェプテイルは、自動車界のオートクチュール」と語るのは、同社デザイン・ディレクターのジャイルズ・テイラーだ。「これは、あるお客様のご希望に合わせてデザインした、特別仕立てのロールス・ロイスです。その方は、ロールスにアイデアをお持ちになりました。わたくし共は、そのアイデアを共有しながらアドバイスを差し上げ、仕立てていったのです」

1920年代から1930年代にコーチビルドされたロールスの美しさ。それに触発されたカスタマーは、大きなパノラマ・ガラス・ルーフを備えた2人乗りクーペを望んだのだ。
 

ラインナップ最大のパルテノン・グリル

何よりもまず、ロールス・ロイスの象徴であるパルテノン・グリルが視線を惹きつける。現行モデルの中で最も大きなグリルは、アルミニウム・ブロックから削り出された後、手作業で鏡面加工を施した。フロント・フェイスを飾るのはブラッシュド・アルミニウムだ。

真後ろから見ると、絞り込まれたようなリアのテーパーは、フロント・エンドと強い対照をなし、ドラマチックなクーペのイメージを形作っていく。

インテリアは、惜しみなく奢られたポリッシュド・マカサー・エボニーとオープン・ポア仕上げのパルダオで飾られ、見た目も、手ざわりも、クラシックとコンテンポラリーというコントラストを創り出す。シート、アームレスト、ダッシュボード上部は、ライト・モカシンとダーク・スパイスのレザーで設えた。

1920年代から30年代にかけてロールス・ロイスが確立したトランスコンチネンタルGTの精神。その息吹を現代に引きつぐのが、後席の代わりに照明付きガラス・リップをあしらった木製棚板だ。また、リア・ウインドウからアクセス可能なラゲッジ・レール付きハット・シェルフ(帽子置き場)も美しく磨き上げられた逸品。
 

世界初のロールス・ロイス専用クロック

ダッシュボードには、ミニマリストの倫理に従い、一箇所だけ操作部が配置されている。他のすべてのスイッチ類も、継ぎ目なく溶け込む時計さえも、慎重にレイアウトされたというこだわりの空間だ。

世界初のロールス・ロイス専用クロックは、ハンドメイドによる薄いマカサー単板の文字盤を備え、精密加工されたチタン製ノブとともにフェイシアに埋め込まれている。

さらに、手作業で組み立てられた3つの計器盤は、なんとチタン製なのだ。

コーチ・ドアを開ければ、開口部側面には、特徴的なパニエが2つ隠されている。ここには、スウェプテイル専用に開発されたラゲッジ・セットのひとつ、ボタンを押すだけで展開する手作りのアタッシュ・ケースが収められる。

極めつけは、センターコンソールに組み込まれた、ビンテージ・シャンパンのボトルとクリスタル製シャンパン・フルートが収納できる、特注の仕掛けだ。これこそ、オーナーのお気に入りなのだという。

特別な顧客のために、極めてパーソナルにコーチビルドされたモデル。一言で言えば、これこそがロールス・ロイスの真髄なのである。