一人暮らしのアスリートにとっては普段の食生活も重要となる【写真:photolibrary】

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「すべて自炊で」と力まずに…体育会学生必見、公認スポーツ栄養士に聞く賢い活用術

 一人暮らしのアスリートは普段から食生活をすべて自身で管理しなければならない。今回は、Jリーグの横浜F・マリノスやラグビートップリーグのパナソニックワイルドナイツなどの栄養サポートを手がける、公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏にいざというときに役立つ、外食コンビニエンスストアの活用術を聞いた。

 アスリートは体作りやトレーニングに必要なエネルギーや栄養を3度の食事と補食(間食)でしっかり摂らなくてはなりません。しかし、一人暮らしの選手、特に学業とトレーニング、生活費のためにアルバイトも必要な学生アスリートは時間も限られ、なかなか、自炊に手間をかける余裕がないのも実情です。

 また、体育会サッカー部に所属する大学生に質問したところ、昼食は学食かコンビニエンスストアで購入する人が多く、自炊をするのは朝食と夕食。朝は「食べないで学校へ行く」という学生も目立ちます。常々、現場で感じるのは、意識の高いアスリートほど食事をしっかりコントロールしている、ということ。エネルギーや栄養不足は、体重や筋肉量、集中力、スタミナの低下、ケガの多発につながります。まずは日々の食事を充実させることはトレーニングと同様、体作りに大切なことであるという認識を持つことが大切です。

 さて、アスリートの食事の基本は「高たんぱく、高炭水化物、低脂肪」。これにできるだけたっぷりの野菜やきのこ・海藻類、果物を摂るのが理想です。毎食、パーフェクトな献立は難しいので、例えば、昼食に野菜たっぷりのタンメンを食べたら夕飯はしっかりタンパク質源となる食事を摂るなど、1日のなかでバランスよく食べるように心掛けましょう。

外食はラーメン屋よりも定食屋がベスト…コンビニ弁当で選ぶべきものは?

 また、「すべて自炊で」と力まず、是非、コンビニエンスストアや外食もうまく活用しましょう。

 外食は安くてボリュームのあるチェーン店の定食屋、パスタ屋、ラーメン屋が人気ですが「主食・主菜・副菜・汁物」をバランスよく食べられる定食屋がベスト。主菜に肉や魚のタンパク質源を選び、余裕があれば野菜や豆腐のおかずを一品追加しましょう。パスタやラーメンは脂質が多く、他の栄養素も圧倒的に不足しています。

 コンビニのお弁当であれば鶏のてりやき弁当、3色そぼろ弁当、豚丼と、なるべくタンパク質を多めに摂れるものを選択。余裕があればサラダや緑黄色野菜のおかず、または野菜ジュース(果汁が入っているものでも可)を加えます。主菜だけ購入するのであれば、ゴーヤチャンプルー、餃子、レバニラ炒めなどがおすすめです。

 また、サラダはチキンや豆腐などタンパク質源がのっているものを購入するか、グリーンサラダとともにタンパク源の豊富な食品も栄養素が摂れます。例えばグリーンサラダにはツナ缶や温泉卵、サラダチキンを買ってのせれば、栄養価がグンとアップします。自宅でインスタントラーメンを食べるときも、キャベツやもやしなど野菜と一緒に卵をのせる。野菜は面倒であれば冷凍野菜で十分です。

 ただし、コンビニエンスストアはあくまでも必要に迫られたときに活用する場。体に必要な栄養をしっかり摂るならば、できるだけ自炊を心がけましょう。

一人暮らしのスポーツ選手が常備しておくとよい食材&食生活チェック

【常備しておくとよい食材】
納豆/キムチ、小口切りにしたおくら、細かく刻んだたくわんなどを加える
卵/ゆで卵、目玉焼き、オムレツ、ココット
ココットの作り方:耐熱皿に卵を割り、ようじで黄身に穴をあける。冷凍のほうれん草を加え、ラップをかけずレンジで2〜3分温める。
冷凍野菜/ほうれん草、にんじん、ブロッコリーなど。レンジで温め付け合わせや料理のトッピングに使う。
もずく酢/納豆を加える、もずくを味噌汁やスープの具に加える
缶詰/鯖缶、さんまの蒲焼、ツナ缶、ホールトマトなど

【食生活チェック(高校生以上)】
□朝食を毎日摂っているか?
□朝食と昼食の間に補食(おにぎり、ゼリー飲料など)を摂っているか?
□昼食には主食(ご飯、パン、麺)、主菜(肉、魚、卵、豆腐)、副菜(野菜、きのこ、海藻)が揃っているか?
□練習前か後に補食を摂るか?
□夕食には主食、主菜、副菜が揃っているか?
□毎日、牛乳またはヨーグルトを摂っているか?
□自宅に缶詰や冷凍食品などを買い置きしてあるか?

◇長島恭子
 編集・ライター。サッカー専門誌、フリーランスを経て編集ユニット、Lush!を設立。インタビュー、健康・ダイエット・トレーニング・ヨガを軸に雑誌、WEBでの執筆や、ムック、単行本を企画・制作。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)など。

長島恭子●文 text by Kyoko Nagashima