【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が30日、「国会議員の入閣」カードを切り、首相候補の李洛淵(イ・ナクヨン)氏の任命に対する国会承認や一部閣僚級候補の人事聴聞を巡る厳しい政局を正面突破する姿勢を示した。

 文大統領はこの日、行政自治部、文化体育観光部、国土交通部、海洋水産部の長官候補を発表した。4人とも与党「共に民主党」の国会議員という点が特徴だ。
 就任20日にして2度目の内閣人事発表で、国政運営に向けた枠組みをできるだけ早く整えるという意思を示したと受け止められる。李洛淵氏らすでに指名した高官候補3人を巡り、実際に住んでいない場所を居住地として届け出る偽装転入などの問題が浮上し、人選そのものがかなり遅れている状況で、これ以上は国政の空白を放置できないと考えているようだ。
 新たに発表した4人の閣僚候補者が全て現役の政治家であることも、国会の人事検証を突破するための布石との見方が出ている。現役の政治家に対する国会の人事聴聞が比較的順調に進む傾向にあるためだ。
 文大統領は29日に首席秘書官や補佐官との会議で、偽装転入を巡る指摘に対し、大統領職引き継ぎ委員会を設けるなどの準備過程を経る余裕がなかったために人事原則違反の指摘が出たとした上で、野党と国民に理解を求めた。
 文大統領は大統領選で、偽装転入、兵役逃れ、不動産投機、脱税、論文盗用に関与した人は高官に任用しないという人事原則を掲げていた。また、通常の大統領選では新大統領の就任前に引き継ぎ委員会が構成されるが、文大統領は朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免に伴う選挙で当選し即日就任したため、同委員会が設置されずに新政権が発足した。
 文大統領は会議で、事実上の引き継ぎ委員会の役割を果たす「国政企画諮問委員会」などが協議し、現実的で具体的な人事基準を速やかに設けるよう指示した。そのすぐ翌日に人事を発表したことからも、国政の正常化に向けた文大統領の強い意欲を読み取ることができる。
 だが、人選基準の具体化を指示してすぐの人事発表は、野党の反発を招く可能性もある。国会で31日に予定された首相候補の任命同意案採決や、偽装転入が指摘されている外交部長官候補の康京和(カン・ギョンファ)氏、公正取引委員会委員長候補の金尚祚(キム・サンジョ)氏に対する人事聴聞に一定の影響が出ることも考えられる。
tnak51@yna.co.kr