18番のしびれるバーディパットでもこの緩さ これこそがベテランの妙だ(撮影:鈴木祥)

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国内女子ツアー「リゾートトラスト レディス」はカン・スーヨン(韓国)、藤田さいき、全美貞(韓国)のベテラン3人によるプレーオフの末に、最年長41歳のスーヨンが勝利。シード選手では表純子に次ぐ年長者の強さはどこにあるのか。上田桃子らを指導するプロコーチ、辻村明志氏に聞いた。

「3人ともベテランですが、それぞれに持ち味があります。スーヨンさんはパッティング、藤田さんはビッグドライブ、全さんはショットの精度が素晴らしい選手です」。女子プロのターニングポイント、30歳を超えても戦い続けられるのは輝く部分があるからこそなのだ。
スーヨンは「ストロークがキレイで参考にしている選手は多いです」というパットの名手。ヘッドは地を這うように動き、ローテーションは少なめなのが特徴。「こうした打ち方ができるのはグリッププレッシャーがいい具合に抜けていて、ヘッドの重さを活かすことができるから。ちなみに、これはツアーNO.1だと思います。ヘッドの重さを感じて打つことができれば、リズムやテンポは崩れにくいんです。正規の18番とプレーオフ、あの場面で3メートルのバーディパットを決めることができたのは
また、「ヘッドの重さをちゃんとボールに伝えられているので、コロがりがいい。最後の一伸びがある球が打てるんです。いつも鏡のような練習器具を置いてボールの位置、目の位置、押し出すラインを確認してます。ボールの上でしっかり構えることで、ボールに重さが伝えられるんです。この練習はおまじないのようにやっていますね」。ボールに力を伝えられる正しいアドレスと、ソフトなグリップが生み出す安定したリズムがベテランのツアーの源泉だ。
ショットに関してはプレッシャーがかかると左に曲げる傾向があるが、「ドローヒッターで、悪くなると左への曲りがきつくなりボールの高さがなくなってきますが、これは自分でもわかってることでしょう。そこの調整と上手く付き合っていってるような感じです」。スーヨンはまだまだ、ツアーを賑わせる存在であり続けそうだ。
●藤田さいき、今季はパッティングが良くなった
惜しくも敗れたが、久々に存在感を見せた藤田に辻村氏も大注目していた。「30歳を超えても球は高く上がるし、“大きいショット”が打てるのが彼女の魅力です。リストワークをうまく使って、ヘッドを走らせるのがとても上手い選手」。巧みなリストワークと体の回転とタイミングをあわせバチッと振る、それが若手にも負けない飛距離を生み出している。
それに加え「パターが今シーズンから良くなっている」のが優勝に近づいた要因。「今年はしっかり打ち抜いた後、フェース面がターゲットを向いてるパットが多くなってきています。確実に正しい方向に確実に向かっていると思うので、ずっと続けていって欲しいですね」。6年ぶりの勝利はそう遠くないかもしれない。
●プロコーチから明日役に立つワンポイントアドバイス!
スーヨンはパターで、藤田は長いクラブでヘッドを使うのが上手い選手。辻村氏は面白いことを教えてくれた。「グリップをみればそのクラブが得意かどうかすぐわかります。苦手なクラブではグリッププレッシャーがかかっているんですよ」。苦手なクラブほど、力が入っているとのこと。「練習場でドライバーを握って、空中で自分の名前を書いてみてください。スムーズに手首を動かせるぐらいの握りが正しいグリッププレッシャーです」。筆もクラブも握るところと使うところが別なのが共通点、ちょっと意識すれば上達の近道になるかも!?

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子らを指導。今季は上田の出場全試合に帯同し、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
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