「大人になっても恥ずかしくないように子どものうちにしっかりしつけをする」―これが日本のスタンダードの考え方だ。今回はそんな、それぞれの年代に対する日中の価値観の違いについてご紹介したいと思う。写真は中国。

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大人になっても恥ずかしくないように、子どものうちにしっかりしつけをする――これが日本のスタンダードな考え方だ。「三つ子の魂百まで」という言葉が表す通り、子どものころ身につけてしまった癖はなかなか直すことが難しい。今回はそれぞれの年代に対する日中の価値観の違いについてご紹介したいと思う。

子どものころにしっかり教育される日本人。では中国ではどうか。もちろん中国人も子どもにはしっかりしつけをする。しかし日本と少し事情が違うのは、中国には「子どもだから仕方ない」と甘やかす社会の雰囲気が日本よりも強いところである。一人っ子が日本よりも多いのもひとつの理由だし、共働きが多く祖父母に育てられることで厳しくしつけるのが難しいという理由もあるだろう。しかし、何より日本人の私から見ると、中国人は日本人よりも子どもが好きで、子どもがいる人もいない人も子どもが可愛くて「ちょっとぐらい許してあげよう、子どもだから」という社会の雰囲気が強いように見える。

中国人夫も多分に漏れず、大人たちに溺愛されて育ったひとりである。夫が子どもだった80年代後半の福建省の田舎村では、親に育てられるというよりは村の人に育てられるという感じであったらしい。夫いわく、夜遅くまで近所の年下の友だちと海で遊んでいたら、その子のお母さんに「危ないでしょ!!年上なんだから年下の面倒ちゃんと見なさい!!」と大目玉をくらいお尻を引っぱたかれたらしい。またある時は友だちのお父さんが「いじめられたら泣いているだけじゃダメだ、男の子なんだから強くなりなさい」と人生について教えてくれたそうである。他人の家の子どもをたたいたり、人生を教えるなど、私には信じられないが、昭和の日本もこうだったのかと想像する。同時に夫は近所の人や友達の親にも可愛がられていて、よくお菓子などをもらい「可愛い、可愛い」と甘やかされていたそうである。

日本の若者は大学生ぐらいになると、小さいころの窮屈さを返上するかのように自由な青春を謳歌(おうか)する。大学時代は人生のモラトリアムの時期で、友人と自由に将来を語り合ったり、アルバイトに明け暮れたり、というのが日本の一般的な大学生の姿だ。では中国の若者はどうか。彼らは小・中・高と変わらず猛勉強をする。私の中国人の友達の例だが、朝5時に起きて予習をし、7時半には大学の授業が始まり、夕方6時まで授業を受けて、その後家に帰って大学の課題をこなし、深夜1時に寝るそうである。もちろん全ての中国人に当てはまるわけではないが、中国にはかなり勉強している大学生が多い。

日本人も中国人も就職したら仕事を頑張る。日本人は定年までは仕事を頑張り続けるが、夫いわく、中国人は40代ぐらいまで頑張ったら、あとは子どもに養ってもらい悠々自適にのんびり暮らすのが理想なのだそうだ。

子どものころ甘やかされ、大人になると厳しい状況に置かれる中国人。子どものころはしっかり厳しくされて大学生でゆるみ、その後定年まで頑張る日本人。年代に対する価値観の違いは日中で大きな違いがあるようだ。

■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。