UEFAチャンピオンズリーグ、編集部が選ぶ「史上最高の決勝」はコレだ!

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今週末に予定されているUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦。

欧州を代表するビッグクラブ、レアル・マドリーとユヴェントスが19年ぶりに欧州最高の舞台で相見える。

そんなCL決勝は世界中のフットボーラーが一度は夢見る舞台であり、これまで幾多の名勝負が繰り広げられてきた。こと決勝に関しては日本でも地上波放送されており、夜中にもかかわらず多くの人が視聴している。

そこで今回は、編集部のそれぞれに「CL史上最高の決勝」を挙げてもらった。自身が最も熱くなった、あるいは最も記憶に残っているものを選んでくれた。

あなたが考える“最高のファイナル”は?

ミラン対リヴァプール(2004-05決勝)

試合日:2005年5月25日
会場:アタテュルク・オリンピヤット・スタドゥ(TUR)
試合結果:ミラン 3-3 リヴァプール(2-3 on penalty)
得点者:マルディーニ(1分)、クレスポ(39、44分)、ジェラード(54分)、シュミツェル(56分)、シャビ・アロンソ(60分)

【コメント】

どれだけ「ベタ」と言われようが、CL史上最高のファイナルは2004-05シーズンの一戦だろう。「イスタンブールの奇跡」と語り継がれるあの伝説の試合だ。

6分間で3得点を奪う劇的な展開はもちろんのこと、ゴール後に味方やファンを鼓舞するスティーヴン・ジェラードに心を奪われた。またジェラードは延長戦に入っても魂の入ったスライディングでチームの士気を上げており、それはジェイミー・キャラガーも同じだった。そして、まるで欲しかった玩具を手に入れたのように無邪気にビッグイヤーを掲げるジェラードの仕草はとにかく最高だ。

リヴァプールはこの年、オリンピアコス戦、チェルシー戦と神がかり的な展開で勝ち進んでおり、「イスタンブールの奇跡」はそれら一連のドラマを締めくくる最高のエンディングであった。こんな試合を連続で見せられて、高校生の私はすっかりリヴァプールに陶酔していた。

好ゲームが連続した2004-05シーズンはCLマニアの間では「神認定」されているシーズンだが、その125試合目はあまりにも強烈で鮮烈だった。

選出者:編集部S

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バレンシア対バイエルン(2000-01決勝)

試合日:2001年5月23日
会場:サン・シーロ(ITA)
試合結果:バレンシア 1-1 バイエルン(4-5 on penalty)
得点者:メンディエタ(3分)、エッフェンベルク(50分)

【コメント】

当時リーガを席巻していたバレンシアは準優勝だった前年の借りを返すべくこの一戦に臨むもPK戦の末に無念の敗戦となった。

両チームの得点はいずれもPKであり、試合内容としてスペクタクルなものではなかった。

ただ、何よりも印象に残っているのは終了直後のあのシーン。むせび泣くGKカニサレスを相手GKオリヴァー・カーンが慰めていたあの場面だ。

後にカーンはこう語っている。

「自分も1999年に似たような経験をしていたので、彼を気の毒に思えた。

自分に残るもの(覚えていること)は感情だ。タイトルを勝ち取った感情、PKをミスしたりセーブしたりした直後の感情、そういった瞬間のことは決して忘れない。

セレブレーションはいいことだ。でもそれは自分に残るものじゃない」

選出者:編集部I

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バルセロナ対アーセナル(2005-06決勝)

試合日:2006年5月17日
会場:スタッド・ドゥ・フランス(FRA)
試合結果:バルセロナ 2-1 アーセナル
得点者:キャンベル(37分)、エトー(76分)、ベレッチ(80分)

【コメント】

「最高」の定義は百人百様だ。だが、自らの尺度でベストを選定するならば、即答できる。2005-06シーズンのファイナル、バルセロナ対アーセナル戦だ。

何故この試合なのか。理由は簡単。筆者が、“欧州最高峰”を現地で観戦した唯一のゲームであり、10年以上経った今でも記憶にはっきりと残ってるゲームだからだ。

だが、正直なところ、試合内容については不確かだ。

“不安定男”レーマンの退場から始まり、アーセナルが数的不利となるが、キャンベルのゴールで前半をリード。しかし、後半にエトーのゴールでバルセロナが追い付き、最後は伏兵ベレッチが逆転弾ーーという試合展開だったようだが、後から記録を見返して思い出したのが実情だ。

しかしそれでも、このゲームがマイベストであると断言できる。

スタッド・ドゥ・フランスの光景、雰囲気、匂い、そして、試合終了後に誰かれなしに行ったハイタッチ。

いずれも忘れ得ぬ思い出ばかりだ。

選出者:編集部T

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モナコ対ポルト(2003-04決勝)

試合日:2004年5月26日
会場:ヴェルティンス・アレーナ(GER)
試合結果:モナコ 0-3 ポルト
得点者:カルロス・アウベルト(39分)、デコ(71分)、アレニチェフ(75分)

【コメント】

「CL」に改正された1992年から現在にいたるまで、最も凡庸なカードだと考えられているファイナルだが、当時、ポルトガルリーグを追いかけていた私にとってはどの年よりも思い出深いシーズンである。

今でこそモウリーニョといえば「理想主義」の対局としての「現実主義」的な側面ばかりが語られている。しかし、この時のポルトは、特に国内においては非常に攻撃的なフットボールを展開し、選手がそれぞれの個性を発揮する、魅力にあふれたチームだった。

当時は意識もしなかったのだが、決勝に先発した選手が先制ゴールを叩き込んだカルロス・アウベルトを除くと、全てポルトガル人だったというのも現代においては奇跡的なことであろう。

選出者:編集部H

【コメント】

2003-04シーズン決勝は誰も予想できないカードとなった。当時売り出し中のジョゼ・モウリーニョ率いるポルトと、ジュリを中心としたモナコは名だたるビッグクラブを抑え決勝に進んだのだ。

結果、モウリーニョが勝ち伝説が幕を開ける。ちなみにトヨタカップの相手はコロンビアのオンセカルダスとこちらもまた渋いチームであり、マニアにはたまらないシーズンとなった。

選出者:編集部Q

バルセロナ 対 マンチェスター・U(2010-11決勝)

試合日:2011年5月28日
会場:ウェンブリー(ENG)
試合結果:バルセロナ 3-1 マンチェスター・U
得点者:ペドロ(27分)ルーニー(34分)、メッシ(54分)、ビジャ(69分)

【コメント】

1999年の劇的展開も印象深いが、あの試合はどちらかと言うと呆気にとられた感覚だった。「最高の決勝」としては思い浮かぶのは、2011年のほうだ。

2年前にも決勝で対戦していた両者。しかしこの試合では、ある種の極限まで到達したペップバルサが“スタイル”で相手を圧倒する。ルーニーのゴールで一時は同点としたユナイテッドだったが、特に後半はほとんど為す術がなかった。

スコア以上のまさに完勝。メッシ、ビジャ、ペドロの「MVP」が1点ずつを決めたことも印象に残っている。

選出者:編集部O

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ユヴェントス対ミラン(2002-03決勝)

試合日:2002年5月28日
会場:オールド・トラッフォード(ENG)
試合結果:ユヴェントス 0-0 ミラン(2-3 on penalty)
得点者:なし

【コメント】

PSGとヴィトーリア・ギマランエスのファンである筆者にとって、チャンピオンズリーグ決勝はそれほど記憶にない試合でもある。あの「イスタンブールの奇跡」も生では見ていなかった。

その中で最も印象深いのは2002-03のイタリア勢対決だ。まだ地上波でテレビを見ている時代だ。深夜まで起きて見ていると、なかなか点が入らず0-0のまま。

流石に眠くなる状況のなか、これはPK戦か…というところで放送が終わった!なんやねん!ふざけるなー!

専門チャンネルというのはありがたいなあと噛みしめた時代である。

次点は2011年にユナイテッドを破ったバルセロナで「メッシ・システム」の真髄を見た試合。ウイング2枚が最終ラインを釘付けにしてメッシで撹乱する形は、まさに「守備固めをしたいチームを崩すため」にある斬新アイデアだった。

選出者:編集部K