28日、韓国ソウルの地下鉄駅で、ホームドアの修理をしていた作業員がドアと列車の間に挟まれ死亡するという痛ましい事故から1年がたったが、そもそもホームドアの設置時から根本的な問題があったことがこのほど判明した。写真はソウル地下鉄の光化門駅。

写真拡大

2017年5月28日、韓国ソウルの地下鉄駅で、ホームドアの修理をしていた作業員がドアと列車の間に挟まれ死亡するという痛ましい事故から1年がたった。韓国では同様の事故が以前から続いていたこともあり、特にこの1年、さまざまな安全対策が検討・実施されてきた。しかしMBCテレビの報道によると、そもそもホームドアの設置時から根本的な問題があったことが判明したという。

ソウル地下鉄2号線の九宜(クイ)駅で19歳の作業員が死亡する事故があったのは昨年5月。その5カ月後、今度は金浦(キンポ)空港駅で列車を降りようとしていた男性客(36)がホームドアに挟まれた状態で列車が発車、やはり命を落とす事故があった。これら事故を受け地下鉄を管理運営するソウル市は、故障が多かったホームドアの障害物感知センサーを全面的に交換し、その感知範囲を拡大する対策を取った。センサーが障害物を感知すればドアが閉まることはなく、人が挟まれるなどの問題が防げる。

しかしこれは根本的な問題解決にはつながらないとの指摘がある。市がホームドアの施工業者に求めた基準が、ドア設置当初から守られていないためだ。市は当時、「ホームドアが開いているか、ホームドアの外側(線路側)に人がいる場合、列車が進入・発車してはならない」との国際基準を業者に求めたが、これに則してドアが設置された駅は一つもないという。理由は「やってみたが理解が不足し、体系的管理が難しかった」というものだ。

ソウル地下鉄では過去5年、ホームドアの事故で毎年死亡事故が繰り返されている。市はようやくこのほど、まず9駅について、国際基準に合わせたホームドアへの交換計画を明らかにした。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「ソウル市長はこれまで何をしてたんだ?」「なぜ最初からちゃんとできないの?」「結局は二度手間で、またお金がかかるということじゃないか」「責任者をどうするという話は出てこないね」など行政への批判の声が多数寄せられている。

また、こうした事故原因について「ホームドアが一次要因ではない。駆け込み乗車する人たちの意識が問題」と指摘する声や、「万一の時に逃げ込む空間をつくれば事故も防げるのでは?」と防止策を提案するもの、さらに「それでもホームドアのおかげで飛び込み自殺が減ったはずだから、死亡率も大きく下がってると思う」との指摘もあった。(翻訳・編集/吉金)