「友人の命を救うため」20kg減量した女性(画像は『UPMC Health Plan 2017年4月5日付 Facebook』のスクリーンショット)

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米ペンシルベニア州ピッツバーグで、人生33年にして初めてハーフマラソンを走り切った女性がいる。レベッカ・シードロさんは「友人の力になりたい」という思いで20kgの減量に成功した。米『Inside Edition』や『Today.com』など複数メディアが伝えている。

3歳の息子を持つレベッカさんは、過去の職場でクリス・ムーアさん(30歳)と5年間一緒に働いたことがあった。その後も2人はFacebookを通して連絡を取り合っていたが昨年7月、クリスさんが更新した投稿に目を留めたレベッカさんは驚いた。

その投稿にはクリスさんが慢性腎臓病を患っており、半年から1年後には腎臓移植を必要としていることが綴られてあった。

「一緒に働いていた時、クリスはいつも元気で健康そうでした。だからすごくショックで、何度も彼の投稿を見直しました。30歳の男性が結婚を考えるのはごく普通のことですが、『どうやったら自分の命を救えるだろうか』とは思わないでしょう? 投稿を見たところ、彼に助けをオファーするメッセージが全くなかったので『私が彼を助けてあげなきゃ!』という気持ちになったんです」とレベッカさんは『Today.com』の取材に対して語っている。

レベッカさんは、クリスさんにFacebookを通してメッセージを送り腎機能が低下している彼に「私が力になりたい」と申し出た。そこで偶然、2人の血液型がO型だとわかり、レベッカさんは9月にクリスさんの腎臓移植のための適合検査を受けた。

幸いにも、適合性は問題なかった。ところがレベッカさんは医師から「減量しないと移植手術のリスクが大きすぎる」と言われてしまった。当時、レベッカさんの体重は98kgほどあり、90kg以下にならなければ将来の健康状態に影響が出る可能性があると伝えられ、8kgの減量が必要となった。

痩せることは容易ではないが、レベッカさんは「友人の命を救うため」とやる気を出し、食生活の改善をはかり週に5日ジョギングした。また5月7日にはピッツバーグハーフマラソンにも参加し、クリスさんへの腎臓提供を実行させるため必死に減量を続けた。

そしてレベッカさんは現在、20kgの減量に成功したのである。

「初めは、クリスのために頑張ろうって思ったんです。でも続けて行くうちに自分の中でも変化が起こりました。ジョギングをするようになって今までにないほどの爽快な気分だし、体調もとても良くなりました。それにマラソンに挑戦することは頂上まで登りきることができるかどうか、つまり目標を達成することが可能かどうかを試されている“山登り”のようなものだと感じました。全ては自分次第ですが、これまでに成し遂げたことを考えた時『強い意志をもって取り組めばできないことなどない』ということを悟ったのです。」

こうしたレベッカさんのチャレンジは、クリスさんにも勇気を与えたようだ。クリスさんにとって、レベッカさんはもはや単なる臓器提供者というだけではなく自分をインスパイアしてくれる存在となっており、このように述べた。

「頑張っている彼女を見て、私も頑張ろうと思えました。」

レベッカさんとクリスさんは友情をさらに深め、今ではほぼ毎日連絡を取り合っているという。現在のクリスさんの健康状態が少し安定していることを知り、レベッカさんはホッとしているようだ。クリスさんのために、そして自分のためにも減量を続けているレベッカさんの腎臓は、この秋にクリスさんに移植される予定だという。

画像は『UPMC Health Plan 2017年4月5日付 Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)