誰もが感じたことのある、眠い、だるい、疲れやすいといった症状。鉄分不足からきているかもしれません。不調は、食事内容を改善したりするだけで改善も可能。不調が重くなる前に試してみて。

鉄分が慢性的に不足すると「隠れ貧血」に

女性に増えている「隠れ貧血」を知っていますか? 一般的な貧血は、赤血球に含まれるヘモグロビン濃度が基準値以下なのに対し、鉄分不足からくる鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビン濃度が基準値以内なのに症状が出るのが特徴。そのため「隠れ貧血」と言われるのです。

日本人女性の1割が貧血で、その8〜9割が「鉄欠乏性貧血」だと言われます。眠い、だるい、疲れやすい、集中力がないといった症状が長く続いている人は、鉄分が不足して鉄欠乏性貧血になっている可能性が。冷え、肩こり、脚がつりやすいといった症状も鉄分不足からくる貧血の症状です。

通常、食べ物から鉄分を取ると、体内で7割が機能鉄、3割が貯蔵鉄に分別されます。鉄分不足でも体内で保管されている3割の貯蔵鉄が残っているうちは症状が軽いのですが、これすらなくなってしまうと症状が重くなります。その前に、食事やサプリメントで積極的に鉄分を補給しましょう。

月経や妊娠・出産など、女性は鉄分不足になりやすい

鉄分は体のなかで毎日消費されます。体内に酸素を運ぶヘモグロビンは、タンパク質と鉄分で構成。赤血球は毎日少しずつ新しいものに入れ替わりますが、その際に1日1mgの鉄が使われます。また、発汗によっても鉄分は損失。これ以外にも、女性が鉄分不足になりやすい要因はいくつかあります。

個人差がありますが、月経では1日あたり0.5g〜1.0mgの鉄を失います。子宮筋腫や子宮内膜症などで月経過多になり、そのせいで鉄分不足になって貧血を引き起こす人も。妊娠中は赤ちゃんの成長に必要な鉄分の供給のほか、出産時にも多くの血液が失われるため、鉄分不足に。また、注意したいのが食事を抜いたり、食事の量を極端に減らすダイエットです。鉄分をはじめ、ヘモグロビンの材料であるタンパク質が不足することで、鉄欠乏性貧血になることがあります。

食事から鉄を効率よく摂るためにできること

鉄分不足と感じたら、できるだけ早く食事内容を改善しましょう。個人差がありますが、数ヶ月程度で症状が改善できる場合があります。

鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄を多く含む代表的な食べ物は、豚や鳥のレバー、牛ももの赤身、しじみやあさり、かつおなど。肉や魚介類と覚えると簡単です。非ヘム鉄を多く含む食材は、ほうれん草や小松菜、ひじき、大豆など、植物性のもの。一般的に、ヘム鉄の方が体に吸収されやすいと言われています。

ただし、日本人が食事から摂取する鉄の8割は非ヘム鉄。ビタミンCやクエン酸を一緒に摂ることで、非ヘム鉄の吸収率がアップするので、ぜひ食材を組み合わせてみてください。ちなみに、コーヒーや紅茶に含まれるタンニン、ほうれん草に含まれるシュウ酸は、鉄を排出させます。これらは、鉄と一緒に摂らないようにしましょう。不調が辛い場合は、一度病院で相談を。適切なサプリメントの処方が受けられます。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと