ハットをかぶって登場した佐藤浩市

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 俳優の佐藤浩市が29日、都内で行われた映画『花戦さ』公開直前記者会見に出席し、“M発言”で会場を沸かせた。

 同作は圧政から町衆を守るため、暴君と化した豊臣秀吉(市川猿之助)に真っ向から戦いを挑んだ花僧・池坊専好(野村萬斎)の姿を描いた歴史物語。この日は、萬斎、猿之助、佐藤、中井貴一、佐々木蔵之介、高橋克実、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作、篠原哲雄監督も出席し、撮影現場でのエピソードなどを紹介した。

 狂言師である萬斎は歌舞伎役者・猿之助の芝居に関して、「型がある古典芸能の人間からすると、脚本に書かれたことを緻密にも演じますけど、どう誇張するのか、どういうダイナミズムで来られるのかというのも楽しみでした」と明かしつつ、「浩市さん(演じる千利休)を踏んづけたり、憎々しさが本当に素晴らしい。こんなに嫌なヤツ(秀吉)がチャーミングに見えた」と賛辞を送った。

 一方の猿之助は、「能と歌舞伎は近くて遠い存在。同じ伝統芸能だから共演はほぼあり得ないけど、図らずも映画で共演できたのは嬉しかったです」と喜びを語る。一回り以上年上の佐藤の頭を踏みつけるシーンについては、「本当に嫌で『なんでこんな役を……』と思ったんですけど、役だからしょうがないですよね?」と共演者たちに理解を求め、「いい経験をさせていただきました」と貴重な体験を振り返った。

 そんな中、萬斎や猿之助が持つ型の美しさについて「その大事さを感じながら演じさせてもらった」と感謝する佐藤は、頭を踏まれるシーンも猿之助が型ができている人間だからこそ上手く見えると称賛する。そして「僕のような路傍の石ころみたいな役者は、ちょっと圧がかからないとできないんで、猿之助くんに『もっと踏んで!』となんか違う意味にもとられかねないけど、お願いをさせていただきました」と告白し、会場を笑いに包んだ。すると『壬生義士伝』でも佐藤と共演したことのある中井が「佐藤さんがMだというのは、長い付き合いの中でわかっていました」とつけ加え、更なる笑いをさらった。(取材/錦怜那)

映画『花戦さ』は6月3日より全国公開