【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は29日、自ら掲げた人事原則に反する人物を新政権の初代首相や主要閣僚の候補に指名したとの指摘が出ていることについて、人事原則がクリーンで公正な社会のために非常に重要だとしながらも「原則を実際に適用するには具体的な基準が必要だ」との考えを示した。青瓦台(大統領府)で開いた首席補佐官らとの会議で述べた。

 文大統領は「もし公約を具体化させる大統領職引き継ぎ委員会が構成されていたなら具体的な人事基準を政権発足前に設けることができた」と説明。準備過程を経る余裕がなかったために人事原則違反の指摘が出たとした上で、野党と国民に理解を求めた。
 通常の大統領選では新大統領の就任前に大統領職引き継ぎ委員会が構成されるが、文大統領は朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免に伴う選挙で当選し即日就任したため、同委員会が設置されずに新政権が発足した。今月22日に設置された「国政企画諮問委員会」が事実上の引き継ぎ委員会の役割を果たす。
 文大統領が人事原則違反を巡り直接立場を表明したのは初めて。
 文大統領は大統領選で、実際に住んでいない場所を住所として届け出る偽装転入、兵役逃れ、不動産投機、脱税、論文盗用に関与した人は高官に任用しないという人事原則を掲げていた。
 しかし、首相候補の李洛淵(イ・ナクヨン)前全羅南道知事、外交部長官候補の康京和(カン・ギョンファ)元国連事務総長特別補佐官、公正取引委員会委員長候補の金尚祚(キム・サンジョ)氏に偽装転入などの問題があることが分かり、野党が文大統領に立場を示すよう求めていた。
 韓国では首相就任に国会の同意を得る必要があるが、現在の国会は少数与党のため、野党の協力がなければ首相を任命できない。国会は24〜25日に李氏に対する人事聴聞会を実施したが、保守系最大野党「自由韓国党」の反対もあり聴聞報告書の採択が見送られている。
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