貧乏ゆすりの原因と隠れた健康効果・適度な“ゆらゆら”が必要なわけ

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座っている時に脚がカタカタカタカタ……貧乏ゆすりをしている人を見たらどのように感じますか?おそらく多くの人は「落ち着きのない人だなぁ」「行儀が悪い」「何かイライラすることでもあるの?」と思うのではないでしょうか。どちらかというとマイナスなイメージをもつかと思います。

一方で、自身が貧乏ゆすりをしていることに気が付いた時は「よくわからないけど、なんだかスッキリするなぁ」と、さほど悪い気はしないという声も聞きます。人前で貧乏ゆすりをしていることに気付いた時は、恥ずかしさが込み上げてくるという人もいるようですが、このように「貧乏ゆすりはやってはいけないもの」と、どちらかというとマイナスイメージが強いようです。
 
その理由は「品が悪いように見える」など様々ですが、昔からの「貧乏人が寒さに震える姿」「脚をゆすると貧乏神にとりつかれてしまう」といった名称の由来もマイナスイメージをつくる理由のひとつになっているのかもしれません。
 
ですが「貧乏ゆすりをするとなんだかスッキリして落ち着く」と答える人も中にはいるのです。貧乏ゆすりはイメージこそ悪いものの、身体にとっては実は良い効果もあるのでは!?ということで、貧乏ゆすりによる健康力アップへの期待を以下に挙げてみようと思います。

貧乏ゆすりの症状・原因とは?

そもそも、なぜ貧乏ゆすりをしてしまうのでしょうか?貧乏ゆすりは、無意識のうちに下肢をふるわせるように揺らし続けてしまうことです。原因はまだはっきりと解明させていませんが、いくつか考えられることがあります。
 
普段、椅子に座った時など下肢を動かす必要がないときは、脚を動かさずに下していることができると思いますが、何かに集中した際に脳からの抑制がはずれて、下肢をガタガタと揺らす動きが出てきてしまうのではないか、という説。
 
また、情緒の安定にも重要な「セロトニン」という脳内物質が関わっているという説もあります。イライラ気持ちが不安定な時に貧乏ゆすりをしてしまう、という人もいるかと思います。日頃、考え事が多くストレスにさらされ続ける環境で過ごしていたり、睡眠リズムが狂っていたりとベストコンディションを保ちにくい人は、セロトニン分泌が低下する可能性があります。
 
セロトニンの分泌低下は、繰り返し一定のリズムをとることで防ぐことができると言われています。脚を一定リズムでガタガタふるわせることによって、セロトニン分泌が増えると、気分も楽になりストレスが緩和されることが期待できそうです。
 
その他、貧乏ゆすりをひきおこしやすい身体の状態がいくつか考えられます。

下肢の血行が滞りがち
連日のデスクワークや長時間の車の運転などで経験のある人もいるかと思います。下肢がだるく感じ、動かしたくなります。そのような時、無意識のうちに貧乏ゆすりをしている場合があります。身体の末端の冷え
足先が冷えてくると、下肢を動かすことで血液循環を改善したり、筋肉を使うことで熱を生み出そうと、やはり無意識のうちに貧乏ゆすりを始めてしまうことがあります。

 

貧乏ゆすりにかくれた意外な健康効果

貧乏ゆすりは見た目の印象は良くないのですが、心身には良い影響を与えるとして研究を進めている機関もあるようです。例えば、以下のようなメリットが挙げられます。

ストレス緩和・精神的な安定

前述の通り、貧乏ゆすりによりセロトニン分泌が増加して、気持ちの安定が得られる可能性があります。また、気持ちが落ち着かない時に気を紛らわせたり、ストレスからの回避動作となっているとも言われています。

冷え症やむくみ改善

貧乏ゆすりでは、ふくらはぎの筋肉も使われます。ふくらはぎの筋肉は、“第二の心臓”とも呼ばれる重要な役割を果たす筋肉。貧乏ゆすりによってふくらはぎの筋肉が収縮・弛緩をすると、血液循環もよくなりリンパの滞りも改善されます。その結果、冷え性やむくみも解消されていきます。

エコノミークラス症候群の予防

車の中や飛行機など、同じ姿勢で座りっぱなしの状態を長く続けると、脚の血管に血の塊ができてしまい、血栓となってエコノミークラス症候群を引き起こすことがあります。貧乏ゆすりをすることで、血流の滞りを防止する効果が期待できます。

死亡率の低下

海外の研究では、貧乏ゆすりによって死亡率が低下するという結果が発表されたそうです。血流の改善やエネルギーが消費されることによる代謝系への影響が良い結果に繋がったのではないかということですから、貧乏ゆすりもエクササイズとして生活習慣に取り入れられると良いですね。

いますぐできる!貧乏ゆすりストレッチ

普段は無意識に貧乏ゆすりをしているかもしれませんが、心と身体の健康にプラス効果が得られるのであれば、意識的に貧乏ゆすりを行うのも1つの方法。日々快適に過ごすことができるかもしれません。
 
1日のうちに数回、次の動作を一定のリズムで軽やかに行ってみましょう。同じ姿勢が続いた時やストレスを感じた時にもお試しください。

ストレッチその1:カカト・つま先のアップダウン

椅子に座り両足の裏を床につけます。カカトを上げつま先だけ床につけます。カカトを上げつま先だけ床につけます。カカトを床につけつま先を上げます。カカトを床につけつま先を上げます。

2〜3を10回繰り返しましょう。

ストレッチその2:その場で駆け足

椅子に座りつま先を床につけカカトを上げます。カカトを上げつま先だけ床につけます。その場で駆け足をするかのように、脚の付け根から下肢を10秒間×3セット動かします。その場で駆け足をするかのように、脚の付け根から下肢を10秒間×3セット動かします。
(つま先が左右交互に床へつき、駆け足をしているようなイメージになります)

注意しておきたい貧乏ゆすり

貧乏ゆすりをしていることに気が付いた時、その揺れを止めようと思えば意思をもって止めることができると思います。ですが、単なる貧乏ゆすりではないケースもあります。
 
「むずむず脚症候群」と呼ばれる、じっとしている時や就寝時に脚がムズムズしたり、ほてりや違和感がありじっとしていることができないといった症状が起こる場合もあります。夜間にこの症状に悩まされると眠りの質を悪化させてしまいますので、心当たりがある場合には早めに睡眠の専門医へ相談しましょう。

まとめ

貧乏ゆすりは、行儀が悪くてみっともないもの、として済ませずに、もし貧乏ゆすりを指摘されたり、貧乏ゆすりをしている自分に気が付いたら、自身の健康状態へ目を向ける良いきっかけになると考えましょう。
 
日頃のストレスは解消できていますか?疲れはたまっていませんか?最近の体調を振り返り、快調なコンディションを取り戻せるようにケアしてみてはいかがでしょうか。

photo:Getty Images(メイン画像)