全仏オープン・ジュニアのワイルドカード選手権決勝で勝利した永田杏里【写真:Pauline Ballet/FFT】

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全仏注目は錦織だけじゃない、愛知の高校生・永田杏里が全仏ジュニア初切符

 テニスの全仏オープンは現地時間28日に開幕。錦織圭(日清食品)ら日本人選手の躍進に期待がかかるが、もう一つの「全仏オープン」に17歳の女子高生プレーヤーの出場が決まり、歓喜を呼んでいる。26、27日に行われた全仏オープン・ジュニアのワイルドカード選手権決勝。日本予選を勝ち抜いた世界ランキング76位・永田杏里(愛知・南山高)が優勝し、本戦(6月4日開幕)初出場が決定。日本女子のホープは「グランドスラムの中で一番行きたかった場所」と喜んだ。

 魅惑の可能性を秘めた女子高生が、全仏の舞台でローラン・ギャロスに立つ。

 各国予選を勝ち上がった6人、男女計12人が集う今大会。日本予選を通過した永田は2日間の初日、予選リーグでインド、ブラジルの選手を下し、男子の白石光(有明ジュニアテニスアカデミー)とともに決勝に駒を進めた。

 2日目は全仏オープンの会場ローラン・ギャロスに戦いの場を移し、難敵と対峙した。

 相手は、コリー・ガウフ(米国)。12歳でジュニア・オレンジボウル国際選手権(米国)を制した実力者が繰り出す強烈なショットに苦戦しながら、相手のミスを見逃さず、得意のフォアハンドに加え、スライスショット、ロブショット、ドロップショットを多彩に繰り出し、6-4、6-4で制し、見事優勝。白石は惜しくも決勝で敗れたが、永田は全仏オープン・ジュニアの切符を手中に収めた。

 日本の17歳は「このローラン・ギャロスの地で優勝できて、とてもうれしいです」と歓喜し、試合を振り返った。

「一番行きたかった場所」で狙う躍進「少しでも多く勝てるように」

「ところどころ緊張して、弱気になってしまったところもありましたが、最後は自分で打ち勝つことができました。ラリーになってから自分の展開に持ち込もうと戦略を立てました。相手の早いサーブをまずは返そうと考えていました。クレーならではの特徴を活かして、ロブショットなどを打てたのが良かったです」

 さらに、世界のトッププレーヤーが立ったコートでプレーし、刺激もあったという、「ローラン・ギャロスの場に立って、よりやる気になりました。『ここで勝ちたい』と。普段クレーで練習する機会はなかなかないのですが、今回に合わせて日本のクレーで、できる限りこの(レッドクレー)環境に合わせて練習をしてきました」と特訓が実ったことを明かした。

 6月4日に開幕する本戦でも躍進を狙う。「ローラン・ギャロスは自分にとって、グランドスラムの中で一番行きたかった場所です。全仏ジュニア・オープン本戦に向けて、この1週間でサーブやリターンをさらに調整していきたいです」。その上で、意気込みをこう示した。

「サーブとフォアハンドに自信があるので、観客の皆さんに観てほしいです。本戦でも、今回のようにたくさんの応援してくださる前で少しでも多く勝てるようにがんばります」

 トッププレーヤーと同じ赤土でプレーする全仏オープン・ジュニア。日本の17歳が挑む「もう一つの全仏」にも注目だ。

男子の白石は決勝で惜敗、試合中に鼻血出るアクシデントも…

 白石光(男子決勝でインド人選手にフルセットで惜敗、試合中に鼻血が出るアクシデントで中断も)

「決勝戦を振り返って、第1セットの入りが悪かったです。気持ち以上に体が動かずに、鼻血が出るアクシデントで、試合中に出 たのが初めてだったので動揺してしまいました。しかし、乱れながらも第2セットは何とか取れました。第3セットも行けるかなと思ったのですが、予選リーグの疲れもあり、負けてしまいました。

 ショットの技術が自分よりワンランク上だった。(相手が)踏み込んでフォアを打った時は、ミスショットがほぼなかったと思います。攻めてくる時のフォアハンドは、コースもショットもよかった。つなげてくるタイプだと思ったが、取れるし、打てるし、相手も非常に強かった。

 パリで3試合をすべてフルセットで戦う中で、アジアだけじゃなくてブラジルやアメリカも含めて、やりあえることがわかりました。自分の成長を感じることができました。また、ここローラン・ギャロスという場所で戦えたこともいい経験でしたし、応援してくださってくれる方も多くいて、楽しかったです。

 ここ勝つために、まずはレッドクレーで練習することが必要だと思います。今回世界での経験を経て、自分自身が成長しなければいけないところが分かりました。日本に帰って練習しなければならないという気持ちが強まりました」