英マンチェスターのコンサート会場で起きた自爆テロ。

凄惨な事件の直後、パニックに陥った現場で懸命に怪我人の手当てにあたった男性に、称賛の声があがり、共に数多の援助の手が差し伸べられている。

路上生活を送る男性

スティーブン・ジョーンズさん(35)は、事件当夜、爆発のあったアリーナ付近で野宿をしていた。彼は路上生活を送っているのだ。

大きな爆発音が聞こえたとき、彼はそれを花火か何かだと思ったそうだ。

しかし、泣き叫びながら逃げてくる血まみれの子ども達を見て、すぐにただ事ではないと悟った。

私にも心がある

そこからの彼の行動は素早かった。後にITV Newsの取材に対し、「私はホームレスですが、心はあります」と答えたスティーブンさんは、怪我をした子ども達の手当てを開始。

怪我人の目の周りに付着した血を拭った際、彼は事の深刻さを知ることになる。彼らの顔や腕には、無数の爪の欠片やガラスの破片が突き刺さっており、それを取り除かなければならなかったのだ。

あちこちに動かなくなった子どもが横たわり、周りでは母親が泣き叫んでいた、とも。その様な凄惨な現場を目にして以降、スティーブンさんは眠れぬ夜を過ごしているという。

見て見ぬふりはできなかった

それでも彼が懸命に怪我をした子ども達を介抱したのは、「あの時見て見ぬふりをしてしまったら、今後私は生きて行かれないと思ったから」だそう。

「この街には親切な人が大勢います。そのお返しがしたかった」とも述べている。

称賛→援助求める声が続出

スティーブンさんのことを伝える同メディアのツイートには、2万4000人以上が「いいね」している。

「テロ犠牲者に手を差し伸べたホームレスの英雄に、仕事やお金、住宅の援助の声あがる」

今回の彼の行為は人々の感動と称賛を呼び、スティーブンさんを支援する動きに発展した。

「マンチェスターのテロ現場で、子どもや犠牲者の救出に尽力したホームレスの男性を救おう」と、ネットで寄付が呼びかけられるや、瞬く間に目標額を超える寄付金が集まった。

当初1か月間で300ポンド(約4万3000円)が目標だったが、「ヒーローである彼を尊敬する」「彼にはぜひ再び自分の足で立ってもらいたい」といったコメントと共に、現時点で既に45,188ポンド(約640万円)の寄付が集まっている。