インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画はもともと日本の受注が確実視されていた。だが、後から名乗りを上げた中国がインドネシア政府の財政負担などを求めないという破格の条件を提示し、日本は中国に受注を奪われてしまった。中国側の提案では2019年に開業することが盛り込まれていたが、現在の工事の進捗度合いでは開業が遅れることは必至と見られる。 (イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)

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 インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画はもともと日本の受注が確実視されていた。だが、後から名乗りを上げた中国がインドネシア政府の財政負担などを求めないという破格の条件を提示し、日本は中国に受注を奪われてしまった。中国側の提案では2019年に開業することが盛り込まれていたが、現在の工事の進捗度合いでは開業が遅れることは必至と見られる。

 これについて、中国メディアの今日頭条は27日、ジャワ島の高速鉄道計画は中国がソフトからハードまで高速鉄道のすべてを輸出する初めてのケースであり、「実質的な初受注に該当する」と伝えつつ、これまで破談になった数々のプロジェクトのようにならないよう努力する必要があると伝えている。

 記事は、中国はこれまでメキシコやタイなどへの高速鉄道輸出が頓挫してきた過去があることを指摘し、「中国高速鉄道の輸出の道は常に平坦ではなかった」と紹介。続けて、中国高速鉄道の建設コストは世界的に見れば確かに安いとしながらも、高速鉄道を輸出するにあたっては相手国の立場になって物事を考える必要があると指摘し、中国ほど人口のいない国にとっては高速鉄道を建設しても、黒字化はおろか投資回収すら容易でないと指摘した。

 また、中国高速鉄道と各国で受注競争を繰り広げる日本はもちろんのこと、近年は韓国もシンガポールとマレーシアを結ぶ高速鉄道の入札に参加する方針を示していることを伝え、日韓というライバルの動きも軽視できるものではないと指摘。

 これまでメキシコなどで一度は受注が決まりながら、その後撤回となった中国高速鉄道にとって「ジャワ島の高速鉄道計画は実質的な初受注に該当する」と指摘。土地の取得などで工事に遅れが生じていることで、「初受注が頓挫する」ということにならないよう、中国は努力する必要があると伝えている。(編集担当:村山健二) (イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)