寝ている間の粗相が気になる……なりますよね!イビキ、よだれ、寝言などなど。今回はイビキ!

「彼のイビキも気になりますが、自分のイビキも気になりますね。この前、「夜中うるさい」と言われてしまいました。自分ではまったく意識なく、すやすや寝ているのでなんだか申し訳なくて……」という、金融会社勤務の芽衣子さん(30歳)です。どんな対策をしたらいいでしょうか?友野なおさんに教えてもらいました。

枕の高さをチェックしてみよう

眠ると鼻の粘膜の血管が拡張して、空気の通り道が狭くなります。と同時に筋肉の緊張がゆるみ、舌の根元付近が喉の奥のほうに落ち込むようになります。その狭くなったところを息が通るとき、喉の奥が振動するため、イビキが起こるのです。

イビキの原因は様々ですが、まずすぐに取りかかれることとしては枕をチェックすること。枕が高すぎる場合、アゴが引けて気道の通気を確保しにくくなるためイビキを誘います。

イビキをかきやすい方は枕を低めにしてみましょう。とはいえ、枕を使わなかったり、低すぎるものを使ったりすると睡眠の質が低下してしまうので、首の頚椎が自然なS字カーブを描けているような高さに保てるレベルが理想的です。

また、柔らかすぎる枕も頭が沈み込みすぎて、頭部のムレ感から眠りを妨げる一因になるため、注意してくださいね。

イビキ対策は横向き寝から!

次にイビキ対策としてすぐ実行できるのは、横向きに寝ることです。前述のように、就寝中は全身の筋肉がゆるんでいるので、舌も弛緩しています。仰向けに寝ると舌が気道のほうに落ちやすいので、気道が狭くなりやすいのです。横向きに寝たほうが、舌が喉に落ち込まず、気道を広く確保できます。

また、アルコールの摂取もイビキを大きくする原因になります。アルコールによるリラックス効果で喉の筋肉がさらにゆるみ、気道が狭められるので、イビキが強くなってしまうのです。特に、過度のアルコール摂取は鼻がつまったような感じになり、鼻呼吸が苦しくなってきます。すると、必要な酸素を確保しようとして口呼吸になりやすく、これもまたイビキの原因になりうるのです。高い睡眠の質を維持するためにも、イビキ対策のためにも、就寝2時間前までに飲み終えている状態をつくれるよう、意識しましょう。

お酒を飲まなくても、寝ている間は口まわりの筋肉が弛緩して、口が開いてしまう人が少なくありません。よだれ対策の回でもご紹介した「あいうべ体操」で口まわりの筋肉を鍛えましょう。

無呼吸症候群が潜んでいる場合も

同じイビキでも、恐ろしい睡眠障害のひとつである「睡眠時無呼吸症候群」が潜んでいる場合があります。10秒以上の呼吸停止があり、この状態が一晩に30回以上、あるいは1時間に5回以上あると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。どれだけ眠っても眠った気がしない、日中頭が重くて痛い、起床時に喉が渇いている、などは見逃せない兆候なので、こういった症状がないか、ぜひセルフチェックしてみてください。

睡眠時無呼吸症候群の最大の問題点は、この病気にかかっていることで他の病気を寄せつけてしまうことにあり、決して軽視できません。飲酒や疲れなどの一過性のものでない場合もあるので、気になる方はぜひ睡眠専門外来のドアをノックしてくださいね。

 

彼のイビキも気になるけれど、自分のもね……。仰向けに寝ちゃだめよ!



■賢人のまとめ
イビキの原因は、主に気道が狭くなっていることと、口呼吸になっていることです。枕を低めのものに変えたり、横向きに寝たりすると気道が確保しやすく、イビキ対策に効果的です。大きな音量で毎晩、イビキをかいている場合、気づかない病気が潜んでいる可能性もあります。その状態が続くようなら病院を受診したほうがいいでしょう。

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)など。