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 データとクリエイティブをめぐる冒険をテーマとする本連載。前回の記事では、データをクリエイティブの入力ソースとして活用することで新しい体験価値へと変換する方法論、”データテインメント”について解説しました。今回から複数回にわたり、実際にデータテインメントの考え方を適用したプロジェクトを例示しながら、データとクリエイティブにどのような新しい関係が生まれているのかをお伝えできればと思います。今回は、ストーリーテリング手法としてのデータテインメント事例として、ネスレ日本が販売しているIoTコーヒーメーカー「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ i[アイ]」の体験型イベントをご紹介します。

■データにはストーリーが内包されている

 テクノロジーの進化によってデータ入力装置が多様化し、その性能も向上したことで取得できるデータ量が爆発的に増えた今、クリックやタップなどによるユーザーの明示的なアクションだけではなく、モノや場所にセンサーを設置することで得られるデータなども、インタラクティブ・クリエイティブの入力ソースとして利用できるようになりました。

 多くのマーケッターのみなさんにとって、データとは「最適化や効率化を実現するためのもの」という認識が強いのではないかと思います。

 クリエイティブカンパニーである我々バスキュールは、データの向こう側にあるストーリーに着目し、「体験化としてのデータ活用」の可能性を切り開こうとしています。データがデータとして記録されるきっかけは、人のエモーションや行動、何かしらの事象などのストーリーであり、そのストーリーが内包されているものがデータです。これはつまり、ストーリーテリングの手段としてデータを有効活用できる可能性があることを意味します。

 多種多様なデータをリアルタイムに取得し、データからダイナミックにストーリーを抽出し、ユーザー体験として提示する。その一連の変換技術にクリエイティビティを注ぐことが、新しい価値を生み出すことにつながるのではないかと我々は考えているのです。

鳥居 匠[著]、佐々木 大輔[著]