第一部の芝署編が終わり、先週放送の第6話から第二部の豊洲署編がスタートした日曜劇場『小さな巨人』。
「ようやく悪事をつきとめた」が「真実は闇に葬られた」という香坂真一郎(長谷川博己)のナレーションで始まった第6話の視聴率はちょっと下がって13.5%。悪事を働いていた三笠署長(春風亭昇太)の罪が見過ごされたモヤモヤが影響しているのかも。


やっぱり岡田将生はストーカー?


豊洲署編は人事に大幅な変更があった。

まず、主人公・香坂は豊洲署の課長代理に横滑りで就任。同じく豊洲署にやってきたのは、香坂を尊敬して異動願を出していた三島祐里(芳根京子)。そしてもう一人、豊洲署にやってきたのは山田春彦(岡田将生)! さすが香坂のストーカー! と思ったが、捜査一課長・小野田義信(香川照之)の指示だった。絶対自分で異動を志願してきたと思ったのに。

ちなみに豊洲署には数字ばかり気にするやり手課長の須藤(神野三鈴)とウルトラマンオーブ……じゃなくて、イヤミな先輩刑事の関口(石黒英雄)などがいる。岡田将生と石黒英雄の長身イケメン2人が並んでいるところも見てみたい。

予告編で「きれいになってる!」と一部の視聴者をザワつかせた芝署の渡部(安田顕)は、なんと捜査一課長・小野田の運転担当に! 「猛勉強した」と言われていたが、ちょっと都合良すぎないか? まぁ、芝署に残ったままだと出番がなくなっちゃうから仕方ないか。

『小さな巨人』の時事ネタを整理してみる


豊洲署編で香坂たちの敵となるのが、学校法人「早明学園」の理事長・金崎(和田アキ子)と専務・富永(梅沢富美男)だ。番組側では堂々と「悪徳理事長」と謳っている。三笠署長のような謎や含みが一切ない、スパッと竹を割ったような悪党ということだ。

悪徳理事長・金崎が率いる早明学園が抱える闇とは、国が持て余しているゴミ埋立地を10億円で買い取る代わりに、学園設立のための認可の便宜を図ってもらい、有名政治家が顧問につくなどしてブランド力を飛躍的にアップさせて急激に成長していったというもの。早明学園は国とべったり癒着していたのだ。

これは今どき珍しいあからさまな時事ネタ。かつては3億円事件をもとにした『悪魔のようなあいつ』など、現実に起こった事件をモチーフにしたドラマは少なくなかったが、最近はめっきり少なくなった。

まず、「ゴミ埋立地」と「認可の便宜」は森友学園問題。「認可の便宜」と「政治家によるブランド力のアップ」「急激な成長」は現在紛糾している加計学園問題だ(安倍首相は加計学園グループで監事を務めていた。ほかにも萩生田光一官房副長官はかつて加計学園の客員教授を務めていたことがある)。

アクのつよい理事長は森友学園の籠池泰典氏を思い起こさせるが、ハットなどの見た目はアパホテルの元谷芙美子社長風。また、元捜査一課長で小野田も頭が上がらない専務の富永は「わかってるな」が口癖だが、これは「忖度」の強要である。


『小さな巨人』の2つのコード


『小さな巨人』には2つのコードがある。

一つは「敵は味方のふりをする」というもの。これは『小さな巨人』のテーマでもある。今回も小野田が香坂と山田を豊洲署に飛ばすとき、それぞれに優しい言葉をかけているが、これは小野田が「敵」だということを示している。

もう一つは、「やたらと饒舌な人間ほど嘘をついている」というものだ。ナレーターを兼ねる主人公の香坂は例外として、いつも口数の多い小野田は嘘が多い。朗々と語りはじめるときの山田はたいてい何か隠しごとがある(今回なら矢部を逃したことを言い訳しているシーン)。

今回で言えば、早明学園に潜入捜査を続けていた刑事・江口(ユースケ・サンタマリア)だ。江口は早々に自分の正体と任務を明かして「力を貸してほしい」と山田に頼んでいたが、「敵は味方のふりをする」「饒舌な男はうそつき」というコードに照らし合わせるとあからさまに怪しい。と思っていたらラストで江口は死亡! えええっ! そして山田は逃走&逮捕! ええええっ! 

冒頭で「正義を守るためには組織を変えるしかない」と語っていた香坂。はたして後半残りの話数で早明学園の悪事を暴きつつ、警察組織まで変えることはできるのだろうか? 子犬ぶりを遺憾なく発揮しはじめめた芳根京子にも注目! 今夜9時から!

(大山くまお イラスト/Morimori no moRi