離婚理由1位! 「性格の不一致」を感じたとき注意すべきこと

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長い結婚生活の中では、お互いの性格が合わないと感じることもありますよね。でも、性格の不一致が原因で離婚にまで発展してしまった場合、女性はどうすればいいのでしょうか。弁護士の鳴海裕子さんに「性格の不一致」が理由で離婚するときの注意点について、詳しく教えていただきました。

■「性格の不一致」で離婚する夫婦の割合

離婚理由にはさまざまなものがありますが、「性格の不一致」で離婚する夫婦の割合はどれくらいなのでしょうか。鳴海さんに聞いてみました。

◇離婚理由に「性格の不一致」を挙げる夫婦の割合

鳴海:最高裁判所の司法統計(2015)によると、「性格が合わない」という理由で離婚を申し立てた人の割合は、妻が40.5%、夫が61.3%ともっとも高くなっています。性格の不一致は、夫婦の離婚理由の中でもかなり多いと言えるでしょう。

☆性別離婚申し立ての動機割合(2015)

<妻の場合>

<夫の場合>

◇性格の不一致を感じる理由

鳴海:それぞれ生まれ育った環境が違う者同士が結婚するため、多少の価値観の違いは当然です。しかし、お互いの価値観の違いを受け入れることができなくなってくると、「この人とはわかり合えない」として離婚を考えるようになります。

性格の不一致を感じる理由はさまざまですが、例えば「収入の一部を隠されていた」とか「『ありがとう』や『いただきます』が言えない」など、重大な理由だけでなく、小さなストレスが積み重なった結果として大きな溝ができてしまうのです。

■「性格の不一致」で離婚する夫婦の特徴

性格の不一致を感じる理由は夫婦によって異なることがわかりましたが、実際に離婚してしまう夫婦にはどんな特徴があるのでしょうか。

鳴海:性格の不一致で離婚に発展するケースとしては、相手に対する無理解が原因であることが多いです。長年一緒に生活していると、「他人なのだから価値観が違って当たり前」ということを忘れてしまい、お互いに「お前は間違っている」という考えになってしまいます。性格の不一致で離婚する夫婦には、「お互いを受け入れることができなくなってしまった」という特徴があると言えるでしょう。

■「性格の不一致」で離婚する場合の注意点

もし性格の不一致を理由に離婚することになったら、女性はどうすればいいのでしょうか。必要な別居期間や性格の不一致を証明するもの、そのほかの法的確認事項について、詳しく解説していただきました。

◇性格の不一致で離婚する場合に必要な「別居期間」

鳴海:法的に何年別居すれば離婚できるという決まりはありません。しかし、別居期間が長ければ長いほど、夫婦としての実体がなくなっていくため、離婚しやすくなると思います。それまでの婚姻期間の長さにもよりますが、特別な理由(勤務先都合による単身赴任など)のない別居期間が3〜5年にも及ぶとか、婚姻期間の半分が特別な理由のない別居という場合には、離婚が認められやすい傾向にあります。

◇性格の不一致を証明できるもの

鳴海:正直なところ、協議(話し合い)であれば証拠がなくても「性格の不一致」を理由に離婚することは可能です。しかしながら、片方が離婚したくないと思っている場合、協議や調停ではまとまらず、裁判による離婚に発展することもあります。

裁判離婚の場合、もともと生まれ育った環境が違う他人同士が結婚しているため、そもそも価値観が違うことは当たり前だと認識され、単なる性格の不一致だけでは離婚が認められない可能性が高くなります。

「性格の不一致」による離婚を裁判で認めてもらうためには、性格の不一致の程度が大きく、夫婦共同生活を送ることが極めて困難であること(実際に長期間別居しているなど)を証明する必要があるでしょう。日記や録音などは、毎日のように夫婦喧嘩をしていることがわかりやすいため、一定の証拠価値を持つと考えられます。

◇性格の不一致で離婚するときに確認すべきこと

鳴海:単純な性格の不一致で離婚する場合、「どちらが悪い」ということはないので、基本的に慰謝料などは発生しないでしょう。しかし、一方の配偶者が離婚に消極的であるのに、離婚を押し切りたい場合などは、解決金として一定の金額を支払う場合があります。これは当事者の納得の問題ですので、金額が決まっているわけではありません。もちろん、いくら解決金を積んだとしても、離婚に応じてくれないということもあり得ます。

また、「性格の不一致」だけの離婚に限らず、離婚する場合には、夫婦の共同生活の中で築いた財産を折半する「財産分与」や、子どもがいる場合の「親権」「養育費」「面会交流」や「年金分割」の取り決めが行われます。子どもがいる場合、原則として親権者を父母のどちらにするのか決めなければ、離婚届は受理されません。このような取り決めは、あとで「言った言わない」の論争を防止するために、合意書や公正証書にして、きちんと残しておくほうがよいでしょう。

■「性格の不一致」があっても離婚しない方法

世の中には、性格の不一致があってもうまくやっていける夫婦もたくさんいます。性格が合わなくても離婚しないようにするためには、どんな工夫が必要なのでしょうか。

鳴海:性格の不一致は、お互いの無理解が原因となっているため、「考え方が違って当たり前である」ということを思い出し、相手とじっくり話し合うことが大切です。お互いがお互いの考え方を極力理解するように心掛け、受け入れられない部分については折衷案を設けるなどして、離婚という最悪の事態に発展しないようにしましょう。まずは相手のことを思いやって、お互い助け合う気持ちで接することが大切です。

■まとめ

離婚は、子どもや親族などを巻き込む大きな問題です。特に多感な時期でもある子どもにとっては、自身の生育環境が大きく変化する事態でもあり、できれば避けたいものです。大きな夫婦喧嘩をした時などには、「性格の不一致だ」「もう離婚しかない」という気持ちになりがちです。しかし、「お互いもともと他人なのだから、考え方が違って当たり前」ということを思い出して、決断を早まらないようにしたいですね。

(監修:鳴海裕子)

※画像はイメージです

(※)最高裁判所 司法統計
「性別離婚申し立ての動機別割合の推移(1975-2015)」