中国国営の新華社によると、中国のバスメーカー安凱客車製のCNG(圧縮天然ガス)バス500台が23日、江蘇省連雲港港からミャンマーに向けて積み出された。写真はミャンマー・ヤンゴン。

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中国国営の新華社によると、中国のバスメーカー安凱客車製のCNG(圧縮天然ガス)バス500台が23日、江蘇省連雲港港からミャンマーに向けて積み出された。中国は地政学上の理由もありミャンマーとの関係構築に力を入れており、国策に沿った輸出と言える。CNGバスの輸出については例えば日本製と比べて半額以下という低価格であることも中国企業にとっては有利と考えられる。

中国の自動車市場でセダンやSUVなどの車種では外国ブランド車の存在感が大きいが、バスやトラックなどの商用車では中国資本メーカーが優勢だ。中国汽車工業協会(中国自動車工業協会)発表の4月のバス売り上げ台数上位10社(小型バスを含む)でも、北汽福田、金杯汽車、鄭州宇通など中国系メーカーがずらりと並ぶ。乗用車の売り上げランキングでは「常連」である大衆(フォルクスワーゲン)、通用(ゼネラルモーターズ)、さらに豊田や本田といった文字を含む先進国メーカーとの合弁会社の名はほとんど見当たらない。

安凱客車は中国におけるバス製造の中堅企業で、電気バスやCNGバスなど中国で「新エネルギー車」と位置付けられるタイプのバスにも力を入れている。ミャンマー・ヤンゴン市のバス運行会社とバス500台の販売を契約したのは4月11日で、新華社は「一帯一路の提唱の下で、中国のバスメーカーがミャンマー市場を開拓する次の一歩」と評価した。

バス製造販売の情報サイトである中国客車網などによると、中国の別のバスメーカーである福田欧輝客車は5月中旬に開催された「一帯一路」国際協力サミットに合わせ、中国のバス輸出として過去最多の「クリーンエネルギーバス」1000台の対ミャンマー輸出の契約も締結したという。バスのタイプについて具体的な説明はないが、掲載されたバスの写真にはCNGバスに特有の車体上部の大きな燃料タンクが見える。

中国のバス輸出の最大の強みは低価格にあると言ってよいだろう。日本のいすゞ自動車が2010年に大型バス「エルガ」のCNG車をモデルチェンジした際に発表した1台当たりの希望小売価格は約3372万円。一方、自国産バスの価格を紹介した中国のウェブページによると、「エルガ」とほぼ同じ大きさのCNGバスの価格は60万元(約960万円)から100万元(約1600万円)で、「エルガ」の半額以下だ。

日本製バスの方が性能や耐久性、信頼性に優れていることは間違いないだろう。しかし資金力に乏しい発展途上国にとって一定以上の水準を備えてさえいれば、安価なバスは実に魅力的であるはずだ。

なおミャンマーは天然ガス資源に恵まれる国だ。輸出額中に占める天然ガスの割合は40%を超えており全品目中でトップ。また生産されたガスの一部は国内でも消費されている。一方で、同国は原油産出国ではあるが国内消費量の方が多く輸入しているのが現状だ。石油精製所の整備が遅れ、製品油は特に輸入に頼らねばならない事情もある。貿易収支などで赤字が続くミャンマーにとって、CNG車は燃料の調達において貴重な外貨の対外支払いを抑制できる利点もある。(翻訳・編集/入越)