映画『光』公式上映レッドカーペットでの水崎綾女、藤竜也、河瀬直美監督、永瀬正敏、神野三鈴
 - Pascal Le Segretain / Getty Images

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 現地時間27日、第70回カンヌ国際映画祭でエキュメニカル賞の授賞式が行われ、コンペティション部門に出品されている河瀬直美監督作『光』がエキュメニカル審査員賞を受賞した。日本人としては、2000年に受賞した青山真治監督(『EUREKA ユリイカ』)以来、2人目の受賞者となる。

 授賞式には河瀬監督と主演の永瀬正敏が登壇。「メルシーボークー」と切り出した河瀬監督は「映画というものは何なんだろうと考えて作りました。映画がもたらすものはたくさんありますが、人を繋ぐものだと思っています。人は人種も国境も越えていくものだと思います。映画館の暗闇の中で、映画という光と出会うとき、人々は一つになれるのだと思います。カンヌでも一体感を持てたことがうれしかったです。この混沌とした時代に、70年という記念の年に栄えある賞をいただけて大変うれしく思います。ありがとうございます」と喜びを語った。

 エキュメニカル賞は、プロテスタントとカトリック教会の国際映画組織「SIGNIS and INTERFILM」の6人の審査員によってコンペ部門出品作の中から選ばれる賞で、人間の内面を豊かに描いた作品に与えられる。近年の日本作品では、福山雅治が主演した是枝裕和監督作『そして父になる』が次点の「エキュメニカル賞特別表彰」を受け、翌日のコンペ部門の授賞式でも審査員賞を受賞していた。パルムドールが発表される明日に向けて、本作も大きく弾みをつけたといえる。今年は特別表彰に選ばれた作品はなかった。

 『光』は、視力を失いゆくカメラマン(永瀬)と、視覚障害者向けに映画の音声ガイドを制作する女性(水崎綾女)が心を通わせていくさまを丹念につづったラブストーリー。23日に行われた公式上映では河瀬監督らに約10分のスタンディングオベーションが贈られるなど、カンヌの人々の心をつかんでいた。(取材:市川遥、編集:入倉功一)

映画『光』は公開中
第70回カンヌ国際映画祭授賞式ライブは日本時間28日翌1:15〜ムービープラスにて放送