現場には殺害された2児のためにぬいぐるみも(出典:http://www.mydaytondailynews.com)

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この母親にいったい何が起こったのか。米オハイオ州デイトンで、3児の母親が2人の子供を銃で撃つという悲劇が起こった。米『FOX 45 Dayton』など複数メディアが伝えている。

5月18日朝、クローディーナ・ヘルトン(30歳)は6歳の息子ケイデン君と8歳の娘クモラちゃんの頭を銃で撃った後、11歳の長女に2人を家の外に出すのを手伝ってほしいと頼んだ。

その時、偶然にもクローディーナの家の前を通りかかったダーリッカ・ホルトさんが、出血した男児が倒れている姿を見て恐怖に慄き、すぐに911へ通報した。

「男の子が目を覚まさないんです。意識もないようです。早く救急車を!」

そのように伝えた後、ホルトさんはケイデン君の脈が止まっていることに気付いた。別の通行人も一緒になって男児を蘇生しようとオペレーターの指示通りCPR(心肺蘇生法)を試みていた時、クローディーナが自宅からクモラちゃんを運び出してきたため、ホルトさんは「もう1人子供がいる!」とオペレーターに叫んだ。

ホルトさんら通行人が全裸のままの2人の子を運んでいたクローディーナに「一体何があったの」と問いかけたが返事はなく、完全にショック状態に陥っていたという。ホルトさんはメディアに「子供たちの出血がひどく、銃で撃たれたとすぐにわかりました」と後に語っている。まさに地獄絵図のような光景を目の当たりにしたホルトさんだったが、必死に行ったCPRにより一時ケイデン君の脈が戻ったことが分かった。

しかし病院に搬送されたケイデン君とクモラちゃんは22日夜、デイトン子供病院で息を引き取った。

クローディーナは2件の殺人未遂と4件の重罪にあたる暴行容疑で逮捕された。モンゴメリー郡裁判所で22日に行われた初公判では、テレコンフェレンス(電話会議用モニター)を通して2人の子供を銃殺したクローディーナが姿を見せた。

亡くなった2人の身元を確認した親族は、2015年にケイデン君が学校で暴行を加えられたことを知ってからクローディーナの精神状態が不安定になっていたことを警察に話した。またクローディーナは「子供たちを世の中の悪から救うためにやったこと」と警察に述べたことが裁判で明らかになった。

凄惨な現場を目撃したホルトさん自身もショックが大きく、近隣住民もこの痛ましい事件に衝撃を受け、「どの子供も誰一人、自分の母親が悪魔となって襲ってくるなんて考えもしないことでしょうに」と話している。

クローディーナは現在、モンゴメリー郡の留置場に勾留されている。保釈金は100万ドル(約1億1千万円)に設定され、第1級殺人罪で起訴される可能性が高いという。なお、11歳の長女は施設に預けられているという。

出典:http://www.mydaytondailynews.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)