「ファスティング」ダイエットで本当に痩せるのか

写真拡大

著:Clare Collins(ニューカッスル大学, Professor in Nutrition and Dietetics)

 体重を減らすのは大変だ。食事や間食の計画を立て、計画した以上の飲食を促す状況を避けるために大変な努力をしなければならない。しかも、ダイエットをすることで付き合いが悪くなりかねない。だが、手早く体重を減らせて、「ダイエット」の時間を短縮できて、さらに効果が「期待」できるとしたらどうだろうか。ここで登場するのが「ファスティング」ダイエットだ。

◆「ファスティング」ダイエットとは何か
 インターミッテント・ファスティング(断続的な断食)は、週に(毎日ではなく)何日か行う軽めの断食を広く指す言葉で、他の日には普通に食事を摂る。

 「ファスティング」の日は、通常の食事の約25パーセントと、キロカロリー(エネルギー)制限が厳しい。これは、1日あたりわずか500〜750キロカロリー程度になる。平均的な人が現在の体重を維持するのに必要なエネルギーは、1日あたり約2,175キロカロリーだ(体格や運動量により異なる)。

 1週間で250〜500グラム体重を減らすには、1日のエネルギー摂取を約500キロカロリー減らす必要がある。これは、1週間で合計3,500キロカロリー減に相当する。ファスティング・ダイエットは、この3,500キロカロリーを短い日数の食事制限で減らす。つまり、数日のエネルギー摂取を大幅に減らすので、他の日はさほど大変ではないのだ。

 「ファスティング」ダイエットの種類によって、(5:2ダイエットのように)週2日か、オルタネイトデイ・ファスティング(隔日断食)のように2日おき(週3〜4日)の厳しい制限を続けることにすべての体重を減らす努力を集中させる。他にも、午前11時から午後7時までのように、食事時間を毎日8時間以内に制限する、16アワー・オーバーナイト・ファスト(16時間夜間断食)がある。すべての断続的なエネルギー制限ダイエットに関して、長期的なメリットやデメリットはわかっていない。

 空腹のつらさに耐えて続けることができれば、どのインターミッテント・ファスティングも効果がある。簡単そうに聞こえるが、やってみると本当に大変だし、多くの人にとって現実的ではない。ファスティング中は、「飢えているから食べさせよう」と体が考える。好きなものを食べていい非ファスティング期間を設けることで、「ダイエット」をしているという意識が薄れ、続けやすくなる。

 「ファスティング」ダイエットをする人は、ファスティングしない日には好きなものを食べていいと言われても、ほとんどの人が食欲を代償的に増やさない。つまり、ファスティングをしない日には食べ過ぎず、普通に食べる。そうすることで、1週間の合計摂取カロリーが減るのだ。

◆超低エネルギー食療法とは
 タンパク質保持調整断食(protein sparing modified fast)または超低エネルギー食療法と呼ばれる種類の継続的な(毎日の)ファスティング・ダイエットでは、毎日の摂取カロリーは約450〜625キロカロリーに制限される。ミルクシェイクやバー状のスナックのような形状のフォーミュラ食と呼ばれる製品を用い、食事や間食と置き換える。体に必要な栄養素を満たすためにビタミンやミネラルが補われる。

 超低エネルギー食療法プログラムでは通常、野菜数カップ(食物繊維と栄養素の摂取量を増やすため)、油少量(胆嚢の働きを助けるため)、場合によって食物繊維補助食品(便秘を予防するため)を含む少量の食事を1回摂る。これは、健康上の理由や手術の前に急いで体重を減らす必要がある人向けの方法だ。

 このような超低エネルギー食療法を用いた継続的なファスティングは、空腹感の減少と関連している。これは、血液脳関門を(脳の血流から脳組織へ)通過し、食欲を減退させるケトン体という分子が生成されるためと考えられている。

◆「ファスティング」ダイエットに効果はあるのか
 インターミッテント・ファスティング・ダイエットは、最低6カ月続ければ体重を減らす効果がある。毎日のカロリー摂取を制限する他のダイエット法ほどの効果はないが、「断食」ほど厳しくはない。

 この結果と一致するのが先週(編注:原文記事が発表されたのは2017年5月7日)発表された研究で、6カ月間、オルタネイトデイ・ファスティング、継続的なエネルギー制限ダイエット、介入なしのグループに成人100人を無作為に割り付けた。その後、さらに6カ月続けられたが、1年後、グループ間の体重減少に差は見られなかった。

 そして、体重管理のための行動介入と超低エネルギー食療法を取り入れた行動介入を比較した調査によると、2年間で、超低エネルギー食療法を取り入れた方の体重減少効果がやや高かった。

◆ファスティング・ダイエットに向かない人
 ファスティング・ダイエットは万人向けではない。重い疾患のある人やインスリンなどの薬物療法を受けている人は、医師の指導がない限り始めるべきではない。子ども、妊婦、摂食障害のある人には適しておらず、精神の健康状態に悪影響を及ぼす恐れがある。

 また、ファスティング・ダイエットは副作用を伴うことがある。「ファスティング」日数が多いほど、副作用が起きる確率は高くなる。副作用には、便秘、頭痛、口臭、胆嚢疾患、痛風、肝炎などがある。

 体重を減らすダイエットを始める前に、医師の診断を受けよう。食習慣の改善にさらにサポートが必要なときや、続けているダイエットの効果がなくなったら、他の方法を試す必要がある。認定食事療法士(Accredited Practising Dietitian)のアドバイスを受けてみるのもいい。

◆体重を減らすのに最適なダイエットとは
 健康的な体重の達成に近づく最適なダイエットは、続けられるものだ。気分や健康を向上させる効果も期待できる。

 ずっと続けられるよう普段の食習慣を改善することで、きっと体重は減る。理想の体重ではないかもしれないが、実現する可能性が高い。格好よくないと思うかもしれないが、これは本当だ。

This article was originally published on The Conversation. Read the original article.
Translated by Naoko Nozawa
photo Pavel Bobrovskiy/shutterstock.com