暗号化メッセージアプリ「Signal」は、電子フロンティア財団が定める7つの評価項目を基に選出する「最もセキュアなメッセンジャーリスト」で最高評価を獲得し、多くのセキュリティ専門家から「最も安全なメッセンジャーアプリの1つ」というお墨付きを得ています。アメリカ合衆国上院の間ではかねてよりセキュリティの強化を図っているところなのですが、上院議員の間で連絡をとるためのツールとしてSignalを使用することが公式に認められたようです。

Ron Wyden letter on Signal encrypted messaging

https://www.documentcloud.org/documents/3723701-Ron-Wyden-letter-on-Signal-encrypted-messaging.html

In encryption push, Senate staff can now use Signal for secure messaging | ZDNet

http://www.zdnet.com/article/in-encryption-push-senate-approves-signal-for-encrypted-messaging/



アメリカでは2016年の大統領選挙戦で民主党全国委員会のメール1万9000通以上がWikiLeaksにリークされた経緯から、政府組織のハッキング対策が急務とされていました。アメリカ上院では1年以上前から公式ウェブサイト全体のHTTPS化に着手しており、先日HTTPS対応を済ませたばかり。これに続いて、ロン・ワイデン守衛官からアメリカ上院議員向けに、連絡ツールとして暗号化メッセンジャーアプリ「Signal」の使用が認可されたことを知らせる通知を出しています。

上院以外ではニューヨーク知事とその側近が熱心なSignalユーザーであり政界でも人気が高まっているそうですが、上院に対する通知が出た2017年3月以降に、どれだけの上院議員がSignalを導入したのかはわかっていません。この件を取り上げたZDNetは「政治機関がオープンソースで作られたエンドツーエンドの人気暗号化メッセンジャーアプリを採用したという動きは、世界でも『最先端』と言えるでしょう」と評価しています。



一方で、トランプ政権の補佐官らがSignalを使って連絡をやりとりしていることをウォール・ストリート・ジャーナルが報じたのですが、アメリカには電子資料を含む大統領関連の文書を政府の公文書として記録・保管する「大統領記録法」が存在するため、「大統領補佐官の暗号化アプリの使用は法律違反ではないか?」という議論も巻き起こっています。ちなみに、上院議員には大統領記録法は適用されません。