Skypeで初日挨拶に参加した
河瀬直美監督と永瀬正敏

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 永瀬正敏と水崎綾女が共演した「光」が5月27日、全国67館で封切られ、水崎と神野三鈴、藤竜也、樹木希林が、東京・新宿バルト9での舞台挨拶に登壇した。フランスで開催中の第70回カンヌ国際映画祭に参加している河瀬直美監督と永瀬は、Skypeを利用して現地の熱狂ぶりを伝えた。

 本作は、弱視が進行している天才カメラマン・中森雅哉(永瀬)が、バリアフリー映画のモニター会で音声ガイドを作成する尾崎美佐子(水崎)と出会い、衝突しながらも理解を深めていくラブストーリー。第70回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門にノミネートされており、公式上映時には約10分にわたる熱いスタンディングオベーションが沸き起こった。

 開口一番「(登壇を)お断りしたんですが、無理やり連れてこられました」と発言し、爆笑をさらった樹木は「賞をもらえるならこれほど幸せなことはない。でも、ひとたび作品が世の中に出て脚光を浴びた時に様々なことが一変します。その変わってしまうことによって、潰れてしまうか、花開くのかはその人の器量次第。私が見るところでは、永瀬さんは賞をもらえただけで一喜一憂する人ではないわね」と自己流のエール。「河瀬さんは元々ちょっと勘違いしている人」と分析してさらに笑いを誘うと、「大きな賞をもらってももらわなくても、これからも河瀬さんは良い映画を作っていってほしいですね。私は賞に関してはどっちでもいいと思っている」と思いの丈を述べていた。

 河瀬監督は「街を歩いていると、見ていいただいた皆さんから『すごくよかったです』『温かい気持ちになりました』『これは私のパルムドールよ』と言っていただけるんです。映画を見終わった人たちとの“一体感”を感じています。(映画には)私たちが生きる上での力がある」と報告。そしてインターナショナルの取材を60媒体以上応じたことを明かし「皆さん映画を本当に愛している。カンヌという場は常に“進化”しています。人類への新しいメッセージを投げかけている。コンペティションに残ったことはとても嬉しく思いますし、映画がまた好きになりました」とほほ笑んでいた。

 「様々な感想をいただいていますが、皆さん人種を越えて『光』のことを深く理解されている。例えばスペインの記者の方は『この映画は全ての人々へのラブレターだ』と仰られていました」と現地での手ごたえを感じている永瀬。「映画の中で生きられたと思います。今回河瀬監督はかなり苦労されて、撮影直前には体調を崩されたことも。そういうことをあまり人には見せずにいて、しかも僕をカンヌに連れてきてくれた。本当に感謝しています。役者とはなんだ、人とはなんだという事を学ばさせていただいた現場でした」と河瀬監督へ改めて謝意を示し、観客に対して「皆さんに『光』が届きますように」と穏やかな表情で言葉を投げかけていた。