コラムニストの山崎まどか氏と共に

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 アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ビリー・クラダップが顔をそろえ、第89回アカデミー賞で脚本賞にノミネートされた「20センチュリー・ウーマン」のトークイベントが5月26日、東京・新宿ピカデリーで開催された。メガホンをとったマイク・ミルズ監督と親交の深い写真家ホンマタカシ氏とコラムニストの山崎まどか氏がゲストとして登場し、ミルズ監督の人となりや作品の魅力を解説した。

 オスカー受賞作「人生はビギナーズ」で自身の父をモデルにしたミルズ監督が、新たに自身の母をテーマに撮りあげた親子のドラマ。シングルマザーのドロシア(ベニング)は、思春期真っただ中の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育方針に悩み、ジェイミーの幼なじみジュリー(ファニング)、パンクな写真家アビー(ガーウィグ)に協力を依頼する。

 ミルズ監督と20年来の友人だというホンマ氏は、冊子づくりを機にミルズ監督と知り合ったといい「すごく穏やかな人。声を荒らげるのを見たことがない。でも1度だけ、パソコンで作ったデータをプリントアウトしようとしたときに2回やってもできなくて、マイクは黙って立ち上がると、使っていた古いプリンターをいきなり壊したんです。そして『タカシ、コーヒーでも飲みに行こうか』って(笑)」と意外なエピソードを明かす。

 「マイクは常に女性が周りにいてサポートしている」と本作にも通じるミルズ監督の人間関係に言及し「1年に1回会うんですが、毎回ガールフレンドが違った。でも(パフォーマンス・アーティストの)ミランダ(・ジュライ)と出会って言うことなしですよ」とパートナーであるジュライについて語り「本作には、“ミランダ・スパイス”が入っている。実際その話をマイクに会ったときにしたんですが、『俺はミランダも含めてソフィア・コッポラとかスパイク・ジョーンズと同じグループで、同じスープに入ってるから』と言ってましたね」と振り返った。

 山崎氏は「こういう10代の男の子が大人になっていく映画って、兄貴的な存在がいて“男”になっていくんだけど、本作は女の人に囲まれて“自分”になっていく」と本作の独自性を指摘し「女性キャラクターにあこがれの目線があるんです。だから女の子がキラキラしていて素敵。リアルじゃなくて入り込めない映画もあるんですが、本作は『あぁ、いいなあ』と素直に思える」と人物描写を絶賛。ホンマ氏は山崎氏の言葉にうなずき「女性キャラクターに確固たるイメージがありますよね。そして、彼の作品は本当に嫌味がない。泣きながら取っ組み合いとか絶対にやらない」と語った。

 イベントでは、「マイクのお父さんに会ったときに、ちょうどゲイをカミングアウトした直後で。マイクが別れ際にお父さんに『あんまりトラブルに巻き込まれないでよ』って言ってた」(ホンマ氏)と「人生はビギナーズ」につながるエピソードも飛び出した。

 「20センチュリー・ウーマン」は、6月3日から全国公開。