ディーゼルエンジン車の排ガス試験をパスするために不正ソフトを搭載していたいわゆる「ディーゼルゲート」事件でフォルクスワーゲンは2兆円を超える巨額の制裁金の支払いに合意しました。アメリカの消費者が、「ゼネラルモーターズ(GM)も同じ不正システムを組み込んでいた」として、GMに対して損害賠償を求める集団訴訟を提起しています。

GM accused of installing 'defeat devices' in diesel trucks to beat emissions tests - Business - CBC News

http://www.cbc.ca/news/business/gm-defeat-device-emissions-1.4131104

集団訴訟で原告は、「2011年から2016年モデルのシボレー・シルバラードとシエラの2車種のデュラマックスエンジン搭載車には、排ガステストを不正にパスするための特別なプログラムが組み込まれている」と訴えています。70万5000人の共同原告による集団訴訟の代理人を務めるのは消費者問題に強い法律事務所Hagens Bermanで、先のフォルクスワーゲン・ディーゼルゲートの集団訴訟の共同代理人に名を連ね、2兆円強の巨額の賠償支払い合意の取り付けに成功したことで知られています。なお、集団訴訟ではGMだけでなく装置を提供していたとしてボッシュも共同被告となっています。



ディーゼル車は燃料効率の点ではガソリン車に優れていますが、その引き替えにNOx(窒素酸化物)などの有毒ガスの排出量が多く大気汚染を引き起こしやすいことが知られており、アメリカなどの多くの先進国では2015年に従来よりも厳しい排ガス規制が施行されました。Hagens Bermanの代理人によると、GMの該当ディーゼル車では、走行中に排出されるNOxなどの有害ガス排出量が規制値の2倍から5倍だったにも関わらず、検査装置の目をかいくぐるために3種類の不正な技術を搭載することで排ガス試験をくぐり抜けていたとのこと。

集団訴訟を提起されたGMの広報担当者のジェニファー・J・ライト氏は、「原告の主張には根拠がありません。GMは強く反論します」と述べ、訴訟では不正システムを使った規制のがれを全面的に否認して争うようです。

2015年にフォルクスワーゲンのディーゼル車で発生した「ディーゼルゲート」問題は、その後、ダイムラー、ルノー、プジョー、クライスラーなどでも問題となっていますが、巨額の賠償支払いを負わされたフォルクスワーゲンの一件があるせいか、他社はみな疑惑を完全否定しています。はたしてGMも不正なシステムに手を染めていたのか、集団訴訟の行方は大きな注目を集めそうです。