「Jリーグタイム」美人キャスターを直撃 「反響が大きくてやりがいを感じます」

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NHK BS-1「Jリーグタイム」のキャスターを務める中川絵美里さん サッカーが“当たり前にある”清水で育つ

――今シーズンからNHK BS-1の「Jリーグタイム」(毎週土曜日21時10分)のキャスターに就任されました。

 開幕してから約3カ月が経過しましたが、ここまでいかがでしょうか?

「まさかJリーグタイムのキャスターになれるとは思っていなかったので、すごく驚いています。これまであっという間なんですけど、いろいろなスタジアムや地方に行かせていただきました。もともと趣味がスポーツ観戦だったので、現場に足を運ぶのがすごく楽しいです。サポーターの方に声をかけていただくと『私、本当にJリーグタイムのキャスターやっているんだ』って(笑)。まだまだ浅い部分の知識しかないので、必死に勉強するという考えもあるんですけど、それよりも現場に足を運んで感じたことを自分目線でアウトプットできるように始めています。そうすると、それに伴って徐々に新しい知識が頭に入ってくる感じがします。解説者の方々やスタッフさんには、率直に分からないことを訊くと丁寧に教えてくださるので助けてもらっていますし、小ネタも教えてくれるんですよ(笑)」

――サッカーが盛んな静岡の出身なんですね。

「清水の三保で生まれているので、清水エスパルスの練習場がすぐ近くにあって、周りも応援するのが当たり前の環境だったんです。『清水=サッカー』というすごく根づいているものがありましたね。今年から復活したんですけど、清水ではホームで勝つと花火が上がるんです。だから、花火が見えると『今日は勝ったんだね』ってみんなで拍手して。屋根の上にサッカーボールがついている団地もあって(笑)。それが当たり前だと思っていたので、東京に出てきてから『静岡はサッカーの街なんだ』ということに気づきました」

――番組でも綺麗なインサイドキックを披露していましたが、子どもの頃にサッカーチームに入った経験はあるのでしょうか?

「私は入っていなかったんですけど、女の子でも半分くらいが女子サッカーチームに入っていたので、放課後などは一緒にやっていたんです。小学校の体育の授業でも“鳥かご”(ボール回しの練習)をやるとか、ボールを触ることも多かったんですよ。自分でプレーするのは得意ではないんですけど、観るのは本当に好きなので、それがお仕事になるのがありがたいです」

「“えみりぽ観てます”と言われて嬉しい」

――これまでのサッカー取材を通して、印象に残ったことや変化したことはありましたか?

「どのスタジアムでも温かく迎えてくれるのが嬉しいんです。2月の横浜F・マリノス対浦和レッズの時は、開幕戦を生で観るのが初めてで熱気を感じました。第2節は味の素スタジアムに取材へ行ったんですけど、キャスターになって2週目なのに『Jリーグタイム観てます!』とたくさんの声をかけてもらって、それだけファンの方に根づいている番組だと感じましたし、すごく大きな番組のキャスターを任されているんだなってあらためて感じました。

 子どもの頃はルールもよく分からなくて、ゴールが入ったらワーって喜ぶような楽しみ方だったんです。それこそ、ボールだけを追いかける感じでした。今は選手のパーソナルな部分や特徴を勉強しているので、見方はガラッと変わったと思います」

――番組内での「えみりぽ」のコーナーでは、サッカーの一つのシーンを切り取って伝えていますね。

「先日の浦和レッズ対鹿島アントラーズの試合の時も、サポーターの方に『えみりぽ観てます』と声をかけてもらって、『うちのクラブに来てください』とも言ってくれるんです。自分のコーナーを持つこと自体が初めてですごく嬉しいですし、一つのプレーについて掘り下げて、FKやオーバーヘッドキックなどその時の選手の思いを聞けると、次に試合を観る時に注目できたりしますよね。一つのプレーから選手の思いやパーソナルな部分を引き出したいですし、サッカーが好きな人でも違った目線から観るキッカケになってほしいと思うんです。

 最初の放送では、プレーではなくて鹿島サッカーミュージアムを紹介させてもらったんですけど、放送の後に普段は10人くらいの来館者が60人くらいに増えたと聞いて、すごく嬉しかったんです。プレーだけじゃなくてピッチ外の部分でも、Jリーグが活気づく手助けをできたら嬉しいですね」

――「1分で分かるJリーグ」のコーナーは、時間の制約という難しさもありそうです。

「最初はサッカーをあまり知らない方のために、用語やプレーについて掘り下げるコーナーだったんです。ただ、最近はピックアップした選手のパーソナルな部分も1分の中でお話しできたらって思っているので、素朴な用語について解説するのも、もちろんなんですけど、サッカーが好きな人がまだ知らないようなことも紹介したいです。それに、アントラーズの植田直通選手の似顔絵を描かせてもらった後には、アントラーズの女性サポーターから画面を写真に撮って保存しているのを見せてもらったんです。すごく反響が大きくてやりがいを感じています」

「ボールさばきも上手くなれるように…」

――番組を通じて、今後はどのようにサッカーの魅力を伝えていきたいですか?

「全クラブのスタジアムや練習場を回りたいんです。まだ行ったことがない場所がほとんどですけど、そのクラブの地域とのつながりを感じるには、行くのが一番ですよね。だから目標は大きく、J1からJ3まで全クラブに行きたいです。

 今は自分も慣れるのに精一杯で、そこに一生懸命です。今は感じ取ったサポーターの雰囲気を話すことが多いんですけど、もっと深く分かるようになれば選手のプレーのキッカケや思いも話せるようになるんじゃないかと思うんです。もちろん、解説者の方のようには話せませんが、ファンの方にも『そんなプレーもあったね』『そこまで観ていたんだ』と思ってもらえるようになっていきたいです。サッカー好きだけじゃなくて、同世代のまだJリーグのファンじゃない人に観てもらえて、『Jリーグ、楽しそうだな』と思ってもらえるような番組を一緒に作り上げていきたいです」

――同世代の女性にJリーグの魅力をアピールするなら、どのようなところになりますか?

「私の世代だと、日本代表の試合だとサッカーを知らない子でもみんな観に行きたいってなるんです。でも、Jリーグを観に行こうとはなかなかならないんですよね。でも、Jリーグのチームは地域と一緒に作り上げているので、出身の地域とか慣れ親しんだチームの試合が良いですよね。スタジアムグルメも地元のものに特化していることが多いですし、地元出身の選手が活躍することも嬉しいはず。そういうものを感じて、“地元愛”から“チーム愛”に変わるのが入りやすいと思うんです。それがJリーグの一番の魅力だなと思います」

――それでは最後に、全国のJリーグファンにメッセージをお願いします。

「まだまだ勉強不足で、サポーターの皆さんの方が詳しいと思うんです。だから、足を運びながら勉強して、ボールさばきも上手くなれるように体を張って頑張りたいです。その成長過程を見守っていただけたら嬉しいです!」

[PROFILE]

中川絵美里(なかがわ・えみり)

1995年3月17日生まれ、静岡県出身。幼少期からサッカーに親しむ環境で育ち、今年からNHK BS-1「Jリーグタイム」のキャスターに。月曜日から金曜日は日本テレビ系の情報番組『Oha!4 NEWS LIVE』でスポーツキャスターを務める。サッカー4級審判員資格も保持。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

松川智一●写真 photo by Tomokazu Matsukawa