いざとなればペンス副大統領の「昇格」も!? FBIを敵に回したトランプ政権の今後は?

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ようやく全閣僚の議会承認を終えたトランプ政権ですが、副長官ポストは国務・財務・国防などの重要省庁で前政権時代の人物が留任したまま。さらに政治任用ポストは議会の承認待ちを入れても全体の2割に満たず、とても正常な行政執行どころではありません。そこへ追い打ちをかけるのが「ロシアゲート疑惑」です。米国の内政がさらに停滞することは確実で、好調な世界経済への影響が懸念されるところ。刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」が、今後の展開を予想します。

政権内部からも情報リークが始まった
FBIも敵に回しトランプはますます窮地!

 「ロシアゲート疑惑」の追及はトランプ大統領による「捜査妨害」と「米国民へのウソ」に重点が移っているようですが、これは米国の政治家にとっては最もダメージとなりかねず、かつてウォーターゲート事件でニクソン大統領が失脚したことを想起させます。

 辞任したフリン国家安全保障担当補佐官(当時)が就任前からロシア側に情報提供しており、FBIの捜査対象となっていたことを「知っていながら起用した」などの新事実がポロポロと出ています。これはFBIのコミー長官を解任してしまったからで、今後もコミー氏とFBI周辺からリークが続くのは確実です。

 さっそくフリン氏がトルコ政府から不正資金を受け取っていた事実などが暴露されています。おそらくフリン氏は司法取引で逮捕を免れ、そのかわりにトランプ大統領の関与など一切合切を自白するのではないでしょうか。

 ワシントンポストは「関係者の話」として「トランプ氏に近いホワイトハウス高官が捜査線上に上がっている」と報じています。この高官とはトランプに同行しなかった大統領上級顧問のクシュナー氏と、ロシアゲート疑惑の捜査から外されているセッションズ司法長官のことと思われます。

 ここでは「関係者の話」というのがクセモノで、政権内部から情報リークが始まっているとすれば、事態は加速度的に(トランプにとって)不利になっていきます。ニクソンを辞任に追い込んだウォーターゲート事件でも政権内部にマスコミへの情報提供者がいました。トランプはFBIも敵に回してしまったため、ますます追い詰められていくでしょう。

ニクソンのように辞任に追い込まれるか!?
好調続く株式市場への影響は…

 トランプは辞任に追い込まれるでしょうか? 弾劾裁判を発議する連邦下院は共和党が多数を占めているため、少なくとも来年11月の中間選挙までは「そのまま」と考えます。共和党も一枚岩ではありませんが、いざとなれば議会との関係が良好なペンス副大統領を「昇格」させるカードもあり、あわてて動く必要はありません。

 もちろん内政は停滞したままですからトランプ政権は史上最速でレームダック化することになり、なんとか得意の外交で存在感を示そうとするでしょう。

 金融市場・株式市場との関連でいえば、現時点でロシアゲート疑惑の捜査が進展してもしなくても、米国をはじめ世界の株式市場にとっては「イベント=突発的悪材料」の1つにすぎず、調整するとしても短期間・小幅に終わるはずです。

 つまり、世界の金融緩和・量的緩和は想定以上に維持され、米国ではFRBの利上げペースや保有資産縮小開始が遅れ、ますます世界中に投資資金が溢れ返ることになります。


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