サミーラさん(3歳、仮名)。コレラに感染し、家族によりサヌアの産科病院に運ばれ、3日間治療を受けている。医師によると回復しているとのこと(公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)

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 イエメンは、4月末以降、昨年10月に続き、再びコレラ流行の危機に直面している。国際的な人道支援団体セーブ・ザ・チルドレン(以下、セーブ)によると、イエメンでは、1日に平均1,000件以上のコレラと疑われる症例が報告されている。

 事務所のスタッフは、現在のペースでいくと6月末までにコレラが疑われる症例は6万5,000件以上にのぼると予想され、爆発的な大流行になるだろうと警鐘を鳴らしている。 

 セーブによると、4月末のコレラの発生から最初の3週間で、コレラおよび急性水様性下痢症の流行により、少なくとも242人が死亡。これは前回の流行時の同じ期間の20倍以上の犠牲者となるという。7月の雨期の始まりいは、さらなる蔓延が懸念されている。

 イエメンには220万人の栄養不良の子どもがいて、病理に対して脆弱な状態にある。加えて、紛争、保健医療システムや衛生施設の未発達、公共インフラの崩壊寸前が拍車をかける。

 サヌアの病院に勤務するザイード医師は「先月は、私自身だけで、1日に180件の感染が疑われる症例を診ました。治療が必要な患者は驚くほど大勢おり、人々は廊下に横たわり、また、ベッド数が足りないため、時には6人の子どもを1つのベッドに寝かせなければならないこともあります。私たちは、国際機関に支援の拡大を求めています。この病院は多くの困難に直面しています。医薬品や医療用品が不足し、十分な人数の医師と看護師がおらず、手を洗う場所さえありません」と、セーブの取材に対して危機的状況を訴えた。

 セーブ・ザ・チルドレンは、コレラの感染拡大を防止するために必要な医薬品の調達や、スタッフの確保、衛生環境改善のための緊急の資金援助を募っている。また、全ての紛争当事者に、サヌア空港の商業空域の開放や、主要港ホデイダ港の完全な港湾機能の保証などを含む、制限のない人道支援のアクセス確保と医薬品やその他必要な物品の輸入規制の解除を求めている。

(編集・甲斐 天海)