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国立がん研究センターはこのほど、食事パターンと死亡リスクとの関連について明らかにした。

同センターではさまざまな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防と健康寿命の延伸に役立てるための多目的コホート研究を行っている。

今回の多目的コホート研究は、1990年と1993年に岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久など10保健所(※)管内に在住していた40〜69歳の者のうち、研究開始から5年後に行った食事調査票に回答した男女約8万人を対象に実施。2012年まで追跡調査した結果に基づき、食事パターンと死亡リスクとの関連を調査した。

今回は、研究開始から5年後に行った食事調査票の結果を受け、134項目の食品・飲料の摂取量によって「健康型」「欧米型」「伝統型」の3つの食事パターンを抽出した。

「健康型」は野菜や果物、いも類、大豆製品、きのこ類、海そう類、脂の多い魚、緑茶などが関連しているパターン。「欧米型」は肉類・加工肉やパン、果物ジュース、コーヒー、ソフトドリンク、マヨネーズ、乳製品などが関連したもので、「伝統型」はご飯やみそ汁、漬け物、魚介類、果物などが関連したパターンとした。

3つの食事パターンについて、各対象者におけるパターンのスコアにより4つのグループに分類。その後約14.8年の追跡期間中に発生した死亡(全死亡、がん死亡、循環器疾患死亡、心疾患死亡、脳血管疾患死亡)との関連を調べた。

その結果、健康型食事パターンのスコアが高い群では、低い群に比べて全死亡のリスクは約2割、循環器疾患死亡のリスクは約3割低下していることがわかった。欧米型食事パターンでは、そのスコアが高いほど全死亡、がん死亡、循環器疾患死亡のリスクが低下する傾向がみられたという。伝統型食事パターンと死亡リスクとの関連は認められなかった。

同研究では、「健康型」食事パターンにより、全死亡および循環器疾患死亡のリスクが低下するという結果が得られた。多価不飽和脂肪酸やマグネシウムやカリウムなどのミネラルの摂取が多いことが理由と考えられるという。

多価不飽和脂肪酸やマグネシウムやカリウムなどのミネラルといった栄養素は、循環器疾患のリスク低下に関連することが報告されており、食事パターンとして総合的にみると、これらの栄養素の相乗効果も期待できるとのこと。

「欧米型」食事パターンは、全死亡および循環器疾患死亡のリスク低下と関連していた。肉類・加工肉は、全死亡のリスク上昇との関連が報告されているが、日本人は欧米人に比べ肉類の摂取量が少なく、欧米型食事パターンに関連したコーヒーや牛乳・乳製品などの好ましい効果によって、全死亡および循環器疾患死亡のリスクが低下したと考えられるとしている。

さらに、この食事パターンのスコアが高い群では、塩分摂取が少なかった。これも循環器疾患死亡のリスクが低下した理由の一つと考えられる。欧米型食事パターンは、がん死亡のリスク低下とも関連してたが、がんの部位によって関連する栄養・食事因子が異なるため、さらなる研究が必要であるとのこと。

※岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の10保健所(呼称は2016年現在)